六本木は財閥と大使館の街(桃源郷展―蕪村・呉春が夢みたもの―@大倉集古館&文化財よ、永遠に@泉屋博古館分館)
こんにちは。仙です。
何て言うか、お彼岸も過ぎたのに暑いですね。さて、今回行ってきたのは両方六本木一丁目の駅から行ける美術館・大倉集古館と泉屋博古館分館です。
日本最古の私立美術館は大倉財閥の設立。この大倉集古館はリニューアルのためにクローズしてから5年も経ってたんですね。この辺は大使館(すぐ近くにスペイン大使館とスウェーデン大使館がある)とかホテルとかが多いです。あんまり一般人が住むところじゃないんじゃないのかな。六本木って確かまだ米軍の基地とかあるし・・・。
でもそのぶん、静かでいいですよね。
久しぶりに来ました。
そういえばこんなだった気がする。
この像見たことある。
これもあった。
そうそうそうそう。バルコニーはこんな感じだったわ。
ホテルの本館は建て替えで、この大倉集古館と同時にオープンしたそうです。えらい綺麗になってた。
別館の方は8月で閉館して取り壊すみたい。確かに横から見るとさすがに古くなった感を禁じ得ないのですが、こうやってみるとちょっと竜宮城みたいで、趣がある。
建物の中も、以前の設備を活かして、うまい具合に新しく、使いやすくしてる感じでよかったです。エレベーターとかも広いのでバリアフリー。
企画展の「桃源郷展」は、私は呉春の描く桃の花が華やかで良かったような気がします。 あとは景徳鎮の藍釉に桃の実が描かれている色彩のコントラストがとても美しかった。
同時に「大倉集古館名品展」もやってたんですが、これは前から好きな「普賢菩薩騎象像」が出てて嬉しかったです。 下村観山の不動尊もよかった。色々超越する感じが。
地下にも少し像がありました。韋駄天像とか。後は大倉財閥(Wiki には中堅財閥と書いてあった(-_-;))の成り立ちとか。ミュージアムショップは品揃えがお洒落になっていました。ここではオークラウロ大人気。
というわけで、リニューアル後の大倉集古館の様子を見つつ、様変わりしていく周辺に思いを馳せるということで、見に行っても損しないんじゃないでしょうか。 会期は11月17日までです。
結構すぐ近くに立ってる泉屋博古館分館。こっちは言わずと知れた住友財閥(大財閥ですよね)。
これは国内外に伝わる美術工芸品の維持・修復を支援してきた住友財団の助成対象が累計1000件を超えるとともに、助成を開始してからまもなく30周年を迎えることを記念して全国4カ所で同時開催だそうです(京都の本館と東博と九博)。国の施設を巻き込むって (´・ω・`) 。さすがですよね。
なんか、補修の様子も詳しくキャプションに書いてあったんですが、古い掛け軸とかによくありがちな、丸めたり広げたりするうちについてしまったあの古い軸にありがちなバキバキのしわが職人さんの手で綺麗に滑らかに美しくなってる(本当に綺麗)のは感激です。
皆古い絵画なので現代までに何度か補修はされてるようなんですが、その時使った「異質な絹」が劣化に拍車をかける結果になってたみたいで、まあ「良かれと思ってやったことがその対象をダメにした」と言ういろんなシチュエーションでありがちな教訓になっていました。
それにしても修復職人さんて、根気のいる素晴らしい仕事ですよね。
作品としては「長谷雄草紙」がよかったわー。長谷雄さんが鬼から賭けで奪った美女に100日間は手を触れないと約束していたにも関わらず80日で触れてしまい、彼女は水になってしまう。その美女は実は死人の良い部分を寄せ集めてできていた女で、100日経てば人間になれるはずだった・・・と言う因果を切なく描いた絵巻物です。
増上寺の五百羅漢図もよかったよ。
これもやっぱりとても力が入っている展示なので、見て損はないのかなと思います。色々ワークショップとかもやってるみたいなのでチェックしてみてください。10月27日までの会期です。周辺の植栽もきれいだし。
実は所用でちょっと茨城県に行ってたので、明日から写真メインで記事連投します。良かったら見てね。んじゃまた!