あまり期待していなかったせいかすごく良かった美術展2つ(コートールド美術館展 魅惑の印象派@東京都美術館& サントリー芸術財団50周年 黄瀬戸・瀬戸黒・志野・織部 -美濃の茶陶@サントリー美術館
こんにちは。仙です。微妙なお天気が続きますね。
さて、大倉集古館がリニューアルオープンしましたね。私はあそこが大好きです。微妙にマニアックで外国人がたくさん入賞している刀剣の品評会とかは見てて面白いです。なので早速行く気満々で出かけたのですが、途中でぐるっとパスを忘れたことに気がつきました。・・・今週は諦めるか( ̄▽ ̄;)。
ということで、ぐるっとパスでは入場できない美術館二つに行ってきました。そこまで期待してなかったせいか期待値をすごく上回って楽しかったので今回は両方おすすめです。
まずは東京都美術館で開催中の「コートールド美術館展 魅惑の印象派」です。
コートールドさんっていうのは人絹(レーヨンのこと)の製造で財を成したイギリス実業家の方で、彼が収集したコレクションをもとにしてコートールド美術館が設立されたのだそうです。
いや、良かったですよ。イギリス人らしくて(※個人の印象です)適度にスクエアなコレクション。フランスの印象派を見てるとちょっと感じるある種のついていけなさ(わかるかな?)がない。ルノワールの絵とかも、人物の豊満さが抑え目だし、モネの絵も晩年の光だけを捉えている感じの絵ではなく、 具象というか、造形がしっかりしています。 リアルの世界が感じられる。書物や手紙、領収書とかの学術的な資料も充実してます。
私が一番好きだったのは、何気に一枚だけあるゴッホの風景画です。内心の静かな美しさがあります。この時は精神的にも落ち着いてたのかな・・・。ブーダンの風景画も見たことないやつがたくさんあってよかったです。そしてロートレックの描いた女性も良い。キャプションを読むと20代前半の女性なのですが、 その疲れた顔はまったくそんな生気を感じさせません・・・ 華やかな世界の女性が一瞬見せたリアル。
ということで、今のところ混雑具合もそれほどでもありません。おすすめです。 12月15日まで開催しています。
次は六本木のサントリー美術館。「サントリー芸術財団50周年 黄瀬戸・瀬戸黒・志野・織部 -美濃の茶陶」です。
これもすごく良かったです。焼き物の展覧会。三井記念美術館で出ていなかった卯花墻はこちらに出ていました。 ずっと見ていくと、作品の銘っっていうのは大事なんだなとつくづく思います。「瀬戸黒茶碗 覚々斎歌銘 氷」とか、茶碗をじっと見てると氷にしか見えない。鬼ヶ島っていう銘の鼠志野茶碗はずっと見てると鬼ヶ島の荒涼とした風景が目の前に浮かんできます。人のインスピレーションってすごいよね。
最後の方は近代数寄者の特集でしたが、数寄者って人格円満じゃなくて激烈な性格の人の方が良いコレクションを残しそうだなと思います。コレクションが展示されてる五島慶太は異名が「強盗慶太」っていうのは有名だし、松永安左エ門は結構歳がいってから母親を日本刀持って追いかけ回したエピソードが強烈過ぎて・・・ 小林一三とかは比較的温和そうだけど。だから逆に、現代の財界人が目指しても全く問題ないのではないか思います。むしろ偏った人が結構いい数寄者になれるんじゃないかと。勝手に期待。
他の作品もいいのがたくさんありました。加藤唐九郎とか。おすすめです。 11月10日までやってます。
また台風が来てるみたいですね。被災地にこれ以上被害がありませんように。新たな被害が出ませんように。来週も健康に気を付けて頑張りましょう。んじゃまた。