特別展 鏨の華ー光村コレクションの刀装具ー@根津美術館
こんにちは。仙です。
今回は根津美術館で開催中の「特別展 鏨の華ー光村コレクションの刀装具ー@根津美術館」に行ってきましたヾ(๑╹◡╹)ノ"。
鏨って知ってます?タガネと呼びます。金属や岩石を加工するための工具の一種です。今でも使われてる。amazonで売ってます。 思いっきりチープな奴だけど、こんなの。
刀装具の作成にも使用されます(もっとぜんぜんいいやつね)。
んで、タイトルにあるとおりこの刀装具は光村コレクション。光村利藻さんのコレクションです。光村利藻さんっていうのは光村印刷の創業者の方です。光村印刷って、関連会社の光村図書のほうが身近かな?って思います。国語の教科書がそこ発行だった覚えがある。
そんで光村さんは刀装具のコレクターで、その粋を集めた豪華な写真集を出版してます。そのタイトルが「鏨廼花(たがねのはな)」。今回の展示のタイトルにもなってます。その本自体も展示されてました。とても大きな判型で、今でも滅多にないような豪華本。今回の展示は光村利藻さんのコレクションのうち1200点を受け継いだ根津美術館所蔵の刀装具や刀剣が主となってます。
展示はとても面白かったです。後藤一乗の刀装具はとても精巧でした。あの細工はどうやってるのかな。海野勝珉の目貫とかもあったよ!あとは刀もあった。廣光の脇差とか好みです。
会期も残り少ないせいか、なかなかの盛況でした。外国の方がたくさん。あと刀剣女子(完全に見た目で判断してます)。みんなじっくり見てました。
でも、一番個人的に興味深かったのは光村利藻さんの年譜を書いたキャプションかな。基本とても凄い人なのですよ。断絶の危機にあった装剣金工の技術継承に尽力したりとか、当時のキラ星のような日本画家さんたちのパトロンになったりとか。でも、とても毀誉褒貶の大きな人生なのです。
- 海運業で巨万の富を築いた家に生まれる
- お父様に溺愛されて育つ。古美術や写真に熱中。日本のアート系の写真家の草分け的存在だったらしい。
- 光村印刷を設立
ここまではとてもよいのですが、30代に入るとだんだんと会社の経営が傾いてきて・・・破産も経験したり・・・ちょっと道楽が過ぎるんですよね( ̄▽ ̄;)。
何かオタクの陥りやすい人生の落とし穴が縮図として出てて辛い(´・ω・`)。教養もあるし、発想もなかなかシャープだしでいい線いってはいるんです。印刷会社も成功したし、絵はがきとかブロマイドとかも当ててる。今回も出品されてる国宝「孔雀明王」の複製がアメリカの博覧会で激賞されたり。
でもさー、とにかく趣味のことになると金に糸目をつけないんですよねd( ̄  ̄)。「どうせ金を出すなら最高のものを」って。その結果収支が合わなくなってきて、事業に支障をきたしてくるという非常に恐ろしいスパイラル。こわいよう。
私は自分の身の丈にあった趣味を楽しんでいるつもりなのですが、ついグレードの高いものを欲しがる傾向はあるので、あといろいろコンプリートしようとしたりとか、とにかく気をつけようと思いました(´・_・`)。
彼の事業が順風満帆だったとき、刀剣の鑑定会をしたそうです。その会場略図や案内状も展示されてましたが、その鑑定用紙に「當(あたり?)」とか「イヤ」とか書いてあって、みんなで当てっこしたんでしょうか?それを見てると、きっととても嬉しかったろうなと思い、そういう記憶があるならトータルで見ればとても幸せな人生だったんじゃないかと思います。実際晩年までバイタリティ溢れてたみたいだし。
庭の紅葉は終わりかけでちょっとさみしい。でも庭で自然に触れるのはリフレッシュになります。
池には鴨がいるよ。
紅葉は終わりかけ。落ち葉がたくさん。
ススキを見ると何か寂しくなります。
もう冬だね。
というわけで、こっち方面に興味のある人は是非お勧めなのです。
12月17日までなのであんまり会期が残ってません。急いでください。
ちなみに新しいカメラはまだ箱から出してない。年末年始のお休みでゆっくりさわって来年から本気出す(`・ω・´)。多分。でもレンズ沼には注意しようと心から思いました。
んじゃまた!