特別展「典雅と奇想 明末清初の中国名画展」@泉屋博古館分館
こんにちは。仙です。連休はいかがお過ごしですか?今週は晴れたねぇ。
私は連休前日の夜、この特別展「典雅と奇想 明末清初の中国名画展」のブロガー内覧会に六本木一丁目の泉屋博古館分館へ行ってきましたヾ(๑╹◡╹)ノ"。
ですので今回掲載する写真については、美術館より特別に写真撮影の許可をいただいております。
今回は住友コレクションを軸にして、「典雅と奇想」という切り口で中国の明時代末期~清時代初期(16世紀後期~18世紀初。明末清初)の中国絵画を展示しています。
そんでこれ、とてもよかったです(・ω・)ノ。
泉屋博古館はこの時代の中国絵画と青銅器がとても充実してますよね(京都の本館で見た)。青銅器のコレクションは主に住友友純(春翠)氏、この中国絵画のほうは長男の寛一氏のコレクションだそうです。
春翠氏は大実業家であるとともに大コレクター。寛一氏は事業のほうは継がなかったようですが、父親の審美眼のほうを受け継いだんですね。
石濤の優品とかは世界でもかなりレアな品で、こうして日本で見られるのはとても幸せなことだと思います。
こうやって中年期と老年期の傑作(これは京博から借りてきた)が見られるのはとても稀なことです。
このへんの「奇想」エリアは伊藤若冲や曽我蕭白の元ネタ的な位置の作品もあります。
西洋のエッチングの影響を受けたと言われる細密な画面の作品も。
ただ、中国絵画って敷居高いですよね。内覧会では東大の板倉先生が解説してくださったのですが、正直話の内容あんまりよくわかんなかったです( ̄▽ ̄)。
前提にしてる知識レベルがすごく高い印象。ごめんよ教養なくて・・・と思いながら聞いてましたが、ひとつだけ個人的にとても参考になって、かつ印象深いアドバイスがありました。
「風景画(山水図)を鑑賞するときには画の中の人物を見つけて、その人物になったつもりで景色を見てみる。」
これめちゃくちゃ参考になりました。
中国絵画って写実がすばらしいので正直初見だとそれ以外の特徴に目が行きにくいかなと思うのですが、これを心がけると何となくわかってくる(気がする)。
自分を絵の中に置くと所見では普通に見えた風景がちょっとゆがんだり、反対に色彩がとても美しく見えたり、確かに典雅と奇想だわぁ(≧∇≦)と思えます。(錯覚かもしれんけど)
あとはやっぱりポスターのモチーフになってる八大山人ですかね。
魚も子犬もとてもかわいい。
彼の「安晩帖」はスライドもあります。
画面替えも頻繁にしてくれます。
中国人は絵画に写実性を求めるのでキャラ(擬人化)がとても苦手、でも政情不安定になるとこの種の絵画も出てくるそうです。
今回は細密な絵も多いので単眼鏡を貸してくれるそうです。
内覧会でいただいた資料の中に「中国絵画鑑賞の手引き」というのがありました。東大の鈴木敬先生という偉い美術史家の方の文章に、心に残る一節がありました。
「たいがいの芸事の鑑賞はある程度の“慣れ”を前提とすることも忘れないで欲しいように思います」
慣れは大事だよね!今回がっつり見ておくと、将来明末清初の絵画に若冲のようなまさかの大ブームが来た時に豊富な知識を若者にドヤれるかなと思います。
そして泉屋博古館さんには同種の展示を定期的に企画していただけると嬉しいかなと思います。おすすめです。六本木一丁目の泉屋博古館で12月10日まで。前後期でわかれてるし、のんびりしてると多分見逃す・・・気をつけてください。
ふかふかで人をダメにするソファは健在。個人的にはビーズのやつより強力に思う。
六本木一丁目は富裕層が住んでそうな街です。
渋くてよい建物。
今回もギャラリートークとかいろいろあるので調べて参加すると楽しいかも。詳しくは公式で。
じゃ、またね。