世界の絞り@文化学園服飾博物館
こんにちは。仙です。
暑いですね!何度も言った気がしますが、私は夏は苦手です(´・_・`)。
今回は新宿の文化学園服飾博物館で開催中の「世界の絞り」展に行ってきましたヾ(๑╹◡╹)ノ"。
絞り染めは布の染め残し部分を作ることで文様をあらわす技法で、世界各地で行われてきたそうです。
絞りの布ってけっこう見ますよね(・ω・)ノ。実際そんな高価なのは(自分は)持ってないけど、何だろう・・・風呂敷とか、浴衣の兵児帯とかかな・・・。
今回は1階の会場が日本の絞り、2階の会場が世界の絞りっていう構成になってます。
まず1階から。結論からいうと刺繍を含んだ絞りの衣装の精巧さと完成度から言うと日本の絞りが圧倒的にすごいと思う(`・∀・´)。でも意匠とか含んだ魅力の面では世界の絞りも同じくらい優れてます。
んで、展示品はけっこうすごいです。のっけから正倉院裂とかある。え?!なんで(・・;)?!正倉院の宝物とかふつう私立の博物館に貸し出したりしないよね?と思いながら見る・・・。所蔵元とか書いてなかったけど東博かな?ここの所蔵ってことはないと思うんだけど・・・。
でもここの博物館は皇室とのパイプがありそうなので(昭和天皇愛用品だった中折れ帽とかの展示ができるレベルで)宮内庁から直接借りてるのかもしれません。
あとは三井家旧蔵の着物ね。これもすごいよね。何なら三井記念美術館の展示よりいいのが飾ってある・・・。総絞りに金糸銀糸の刺繍の着物とかすごすぎる(≧∇≦)。まあ何て高価そうな。そして美しすぎます。大富豪の奥様の幻が目の前をよぎる。そんな知り合いいないけど( ̄▽ ̄;)。
他の展示もとてもよいです。岩手の南部地方の茜染めがとてもとてもきれいな赤で美しいです。
そして2階の世界の絞り。
こちらもとてもすばらしいですヽ(*´∀`)。「絞り」っていう括りだと日本も世界も似通ってる。いや、高級で精巧なベクトルの完成度は日本圧勝だと思うんだけど、素朴な方面の絞りは驚くほど似てます。
特にマリのドゴン族の藍の絞り。「新しい試みとして出雲地方でできた藍染の布でアフリカの民族衣装を作りました☆」みたいなキャプションがついてたら何の疑いもなく信じちゃうレベル(・∀・)。
台湾の苗族の藍色の絞りに赤いテープがついてる民族衣装は鮮烈できれい。
ペルーのほうのなんともいえない中間色で構成されてる絞りもきれいだし、アフリカのほうの黒地にどピンクの文様を描いてる色彩感覚もすてきです。
インドのほうの遊牧民の民族衣装も展示してあります。遊牧民が着る衣装を黒や濃茶に染めるのは強い紫外線から肌を守るためです。
彼らはウールを染めることはできるのですが、絹地の絞り染めは高い技術が必要なので染色を得意とする部族から金銭で買うそうです。自分の作った刺繍や家畜を売って得る貴重な現金収入で(´・ω・)。そして自分の特別な衣装や子供の晴れ着を作ります。
こういう話を読むと服飾(おしゃれすること)って、人間のかなり基本的な欲求のひとつなのかなと思います(・Д・)ノ。
一階の方にある延々と日本の各種絞りの技法の手元を撮してる映像もかなり面白いよ。
というわけでやっぱりこの博物館の企画展は面白いと思います。おすすめです。9月4日まで。
あんまり撮るものなかったので隣の大学を撮ってみた。
ここもコミュニティカレッジみたいのやってるんだね。
アパレル生産・流通・知識講座とか興味ある(*´∇`*)。
ただ、素人目には今のアパレル業界には正直絶望しかない(服飾好きだけどね(´・ω・`)好きだけど・・・冷静に見ると・・・)気がするけど、何を教えるのかな?受講料2500円かぁ(´・ω・`)。
んじゃまたね!
第11回展 白の刺子 カンターベンガルでの出会い@岩立フォークテキスタイルミュージアム
こんにちは。仙です。暑いですなぁ( ̄▽ ̄;)。そして今年の夏は半端なく暑くなるみたいなので今から怯えてます(-_-;)。暑いの苦手・・・。
今回は岩立フォークテキスタイルミュージアムで開催中の「第11回展 白の刺子 カンターベンガルでの出会い」に行ってきましたヾ(๑╹◡╹)ノ"。
岩立ビルは今日もいい感じ。
カンタ展、前もここで見たような。力を入れてるコレクションなんだな、と思ったら前見たのは日本民藝館のやつでした。勘違い( ̄◇ ̄;)。
過去記事にも書いてますが、カンタっていうのは平たく言うとインドの刺子です。
いろんなカンタが出てますが、時代的には19世紀後半~第二次世界大戦前くらいのが多いですかね・・・実際使ってたものだから、これ以上前になるとあんまり残ってないんだと思う(´・_・`)。
展示内容はとてもすばらしいヽ(´▽`)/。
モスリン(綿とかウールとかの平織の薄物)に一面にとても細かいステッチを施してます。ステッチはチェーンステッチも使ってないくらいの単純さで、上手いわけではない。上手いわけではないけど、子を思う母親の愛情が滲み出ていて見る者の心を打つ作品です。
ここのカンタのコレクションは世界でも有数のものらしいんで、もしご興味があれば見に行ったほうがいいと思います。オススメです。
いろんな柄がありますが、基本的にヒンドゥーの人々が動物とか生命の樹とかのモチーフが多いですかね。そしてイスラームの人は偶像崇拝を禁止されてる関係で植物文とかが多い気がする。
着古したサリーの布から色鮮やかな糸を採り、それで皆思い思いの柄を生き生きと刺繍してます。不思議なパワーが伝わる作品です。本当に素晴らしいです。
でも、色糸の刺子はとてもきれいだけど、それを刺してたインドの女性が、その時代非常に地位が低くてまったく財産を持つことができず、着古したサリーと・・・ごめん、あとひとつ忘れたけど高価なものじゃなかったと思う・・・が唯一持つことを許されてたもので、それを子どものためにカンタにしてたと思うと何か切ない(´・_・`)。
そんでキャプションに書いてある岩立さんのエピソードも切ないんだよ。一番いいなと思ってたカンタのキャプションだったんだけど、
- このカンタはインドで知人の家に滞在してたときに手に入れた。
- そこに知人のそのまた知人の女性が訪ねてきて「これは代々大切にしてきたカンタなのですが、事情があってお金が必要なのです。外国人の方にお譲りしたいのですが、買ってくれませんか」と言ってきた・・・
何か切ない・・・彼女に何があったんでしょうか。
インドでは近年、このような手仕事の復活に力を注いでるそうですが、残念ながら昔のカンタには及ぶべくもないそうです。
そりゃそうだわ( ̄▽ ̄;)。
このカンタ、波打ってるぽくて風合いのある生地なんだなと思ってよく見てみたら、実は生地に白い糸で細かーーーーーーーくステッチを入れてたりして、本当に尋常じゃなく手がかかってるもん。
産業としてやってくのはちょっと無理な気がする・・・見返り求めたらやれない仕事なんじゃないかな。
そしてこのカンタを作った女性たちが子供に同じことをしてほしかったかっていうとそれも違う気がするのです(´・_・`)。難しいね。
でも、この展覧会自体はすばらしいと思います。ご興味あればぜひ。7月15日まで、自由が丘の岩立フォークテキスタイルミュージアムにてやってます。
こんなところ。
靴は脱いでスリッパに履き替えます。
んじゃまた!
双子がつくる魔術的ヴィジョン クェイ兄弟ーファントム・ミュージアム@渋谷区立松濤美術館
こんにちは。仙です。
今回は渋谷区立松濤美術館で開催中の「双子がつくる魔術的ヴィジョン クェイ兄弟ーファントム・ミュージアム」に行ってきましたヾ(๑╹◡╹)ノ"。
夕暮れの松濤美術館よ。
混雑状況:混雑ってほどでもないけど、いつものここにくらべたらひとはいっぱいいた・・・オシャレなお兄さんお姉さんとか(╹◡╹)。
この人たち、作品が人形アニメっぽいのが多いのと雰囲気が退廃的なので勝手に東欧のひと(チェコとか)かなと思ってたらまさかのアメリカ人だったのでちょっとびっくり。
名前見れば兄弟なのはもちろんわかるけど、実は一卵性双生児ですっごくそっくり。ポートレート見てびっくり( ̄▽ ̄;)。
Wikiを見ると、クローネンバーグの「戦慄の絆」にインスピレーションを与えたとかなってる・・・マジでか( ̄◇ ̄;)。あれけっこうトラウマ映画なんですけど。
クェイ・ブラザースのいっしょに産まれてずーっといっしょに過ごしてこういう耽美で退廃的な作品を創って、っていう生涯・・・6月17日でお誕生日だったらしくて70歳になったそうなんですが、ちょっと聞いてみたい。どんな気持ちなんですか?と。想像もつかん・・・(´・_・`)。
展示内容はとてもよかったですヽ(´▽`)/。
正直、作品自体はほとんど見たことなかったのでとても面白かった。初期のイラスト作品・映画・舞台美術・CMやMV・・・などいろいろな種類の作品がありますが、どれも多少なりとも美しく妖しい魅力があります。タイトルを並べるだけでわかってもらえると思う。
- 「シュトックハウゼンを完璧に口笛で吹く服装倒錯者」
- 「喜びの電気拷問」
- 「欲望果てしなき者ども」・・・。
私はデコールがよかった。デコールっていうのは人形アニメの精巧な舞台装置です。カフカの「変身」とか。人形アニメなだけにファンタジックな世界観なんだけどそれだけにあの虫を見るとかなりのインパクトが・・・。
これはクェイ兄弟のお誕生日記念で1日だけ撮影可能だった「プラハの錬金術師」のデコールです。
あと意外と日本関連のものもあったよ。写真1枚だけの展示なんだけど、「ニコン・ファン・タッチ」っていうカメラのCMも創ってたらしい。1989年だからフィルムカメラか。あとでそのCMをYoutubeで探そー、と思ったけど結局見つからない・・・ちぇっ(´-ω-`)。
映画とかのフィルムの上映もしてましたが、そのなかにコムデギャルソン関連のフィルムもありました。何のフィルムだったのかよくわからないけど・・・理解力なくてごめん。やっぱり人形が印象的な美しいフィルムでした。
というわけで、とてもおすすめな展示です。
7月23日まで渋谷区立松濤美術館でやってます。
これも撮影可能な「ストリート・オブ・クロコダイル」のデコール。クェイ兄弟の出世作なんだって。
今回図版を買うとクェイ・ブラザースのサインが抽選で当たるらしい。自分はむしろ遠慮した・・・サインかぁ。こういう企画でもらったことはあるけど、ダメにしなかった試しがない(´・_・`)。粗忽な人間なんで。Amazonで買おう・・・と思ったけど、よく考えたら美術館で買ってサインだけ万一当たった場合は断ればよかったんだ!何かごめん(´・_・`)。
そしてクェイ兄弟の映画上映もあるみたい。都合つけられたら行ってみたい・・・。
あとクェイ兄弟お気に入りというパラレルペンを使ったワークショップの案内もあった。
こんなペンあったんだ・・・知らなかった。あとで買ってみよう(・ω・)ノ。
んじゃまた!