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基本は美術鑑賞ブログです。「とりあえず正直に」がモットーです。忙しくても気楽にいきましょう。

カンタと刺子ーベンガル地方と東北地方の針仕事@日本民藝館(2)

昨日の続き。

 

反対に東北地方の刺子から感じるのは祈りです。

子供が健やかにそだつように、働きに(戦いに?)でる家族が無事に帰ってこれるように一針一針刺してるのが見てとれます。基本、藍地に白い糸カラフルな奴も中にはあるらしいんですが、展示の中にはなかった・・・と思う)で、与えられた環境の中で精一杯努力する」感じの地域性なのかな?とも思います。
ずっと見ているとその抑えた色の美しさが輝きをもって伝わってきます。
そして、その祈りは天に届く・・・かもしれません。


以前に私の家族から聞いた昔話です。
戦争末期、東京で大空襲があったとき、浅草にいた肉親を探しに出かけたけれど、遺体は見渡す限り皆ひどい有様で個人を判別できるはずもなく途中であきらめかけた。が、その親類が着ていた刺子の半纏が決め手になって、遺体を連れ帰ってくることができたそうです。東北じゃなく東京の刺子だけどね。

刺子が家族を手元に帰してくれた・・・なんか電波な話に聞こえたらすみません。

でも、このごろ昔の人の不合理に見えるような習慣って、意味あるんだな、と思うことがけっこうあります。

さんざん手仕事に心を動かされましたが、そこが現代人の弱さ。刺子のコースターをショップで買っちゃいました。お金にものを言わせて(おおげさ)

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だってぶきっちょなんだもん。自分。これも自分で作るとなったらけっこう大変だよね。大事にします。
ちなみに今号の冊子「民芸」の特集はカンタ。刺子の特集は来号だそうです。

 

そうそう、今回は朝鮮時代の文房具の展示もよかったですよ。鼈甲貼りの小さな箱とか、鮫革貼りの小さな箱とか。箱がかわいかったです。


そして今回は西館(旧柳宗悦亭)の公開日でした。それについてはまた次回。

以下戯れに撮ったスナップです。陰から見た図。

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庭。(本当の庭は撮影できません。庭のかけら。)

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またね!