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基本は美術鑑賞ブログです。「とりあえず正直に」がモットーです。忙しくても気楽にいきましょう。

ニューヨークが生んだ伝説 写真家 ソール・ライター展@Bunkamura ザ・ミュージアム

こんにちは。仙です。
何か暑くなったり寒くなったりですな(`・∀・´)風邪ひいてる人はいますか?私は一度体調崩す→回復してるところです( ̄▽ ̄;)。

 

さて、今回はBunkamura ザ・ミュージアムで開催中の「ニューヨークが生んだ伝説 写真家 ソール・ライター展」です( ´ ▽ ` )ノ。

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まず混雑度としては、週末はそこそこ混んでると思う・・・ってか混んでたと思う。土曜日の午後。写真(一部絵画もあります)で作品の大きさが小さめのものが多いから、人の流れが滞りやすい(´・ω・`)・・・。もう会期の残りも少ないし、できれば平日夜に行くのをおすすめします。

 

作品の印象はクール&ドライ(個人の感想です)。アメリカ(ニューヨークか)の感じよさが前面に出ててとてもよいと思いますヽ(´▽`)/。
ハーパース・バザーに載ってたモードなファッション写真、ストリート・スナップ、絵画や自室で撮ったプライベートなヌード写真もあってバラエティに富んでます。でもどれも自分のはらわたをさらけ出して見せてくれるタイプの作品ではないので自分的にはとても見やすくて好印象でした(・∀・)。

 

作家の言葉が展示室の壁にペイントされてたり、DIC川村のヴォルス展とちょっと似てる感じが。どっちもすてきな展示です(*´∇`*)。
それでその文章がなかなかよいのです。たとえば

  • 写真を撮ることは発見
  • 人の背中は正面より多くのことを私に語ってくれる

みたいな。あれ?改めて見ると文章はヴォルスのほうがぜんぜんいいかも。会場ではちょっと感動したんだけどな(・_・;。

 

あとは絵画もけっこうたくさんある。ソール・ライターはニューヨークのナビ派と呼ばれてたそうですが、参考展示のラインナップに出てくる名前(ゴヤ、ボナール、マチス、ヴュイヤールとか)を見るとすごい頷ける感じの画風です。浮世絵とかの影響も受けてたそうで、日本人ウケする美しさがあると思います。題材は若いころ私室で撮りためたモデルさんたちのヌードが多い感じ( ̄∀ ̄)。

 

傘の写真がとても多いのも目につきます。ポスターにもなってるモノクロに赤い傘みたいな。傘の被写体が多すぎてアシスタントさんに嫌がられたっていう文章も見たような。

 

ストリート・スナップでは靴磨きをしてる男性の靴がとてもくたびれてたり、社会の光が届いていない感じの人物が被写体だったりする作品もあってちょっと社会派のような感傷的なような「葬式のような結婚式」の連作とかもすてきです( ´ ▽ ` )ノ。

 

この人が使ってたカメラはライカのだけど、小さくてコンパクトなものです。展示されてた。何かライカのカメラほしくなる。物欲が刺激される・・・でもライカのデジカメはパナのOEMだからな・・・冷静になろう、自分( ̄◇ ̄;)。


そして作家本人の家族の肖像も展示されてました。小さい頃の本人含めた兄弟の写真とか、お母さんの写真とか。
でも一番印象的だったのはお父さんの写真。小さくちぎってあって、折り目がついてぐちゃぐちゃなやつ・・・。
「父ウルフ・ライター1940」
何か心の傷が表に出てる感じの写真(´・_・`)。第二次大戦前夜だもんな。

 

というわけで、写真好きだったらけっこうオススメです。6月25日までなので残り会期少ないです。急いでね。

そしてソール・ライターのドキュメンタリー映画もあるらしい。こないだまでル・シネマで再上映されてたそう。DVD出てるので、これ見るとまた別の楽しみ方がありそうかな。 

 

んじゃまた。
次は出光美術館

名刀礼賛 黒川古文化研究所+泉屋博古館企画特別展 もののふ達の美学@泉屋博古館分館

こんにちは。仙です。
今回は六本木の泉屋博古館分館で開催中の「名刀礼賛 黒川古文化研究所泉屋博古館企画特別展 もののふ達の美学」ですヾ(๑╹◡╹)ノ"。

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今回は刀の写真を撮りたくてブロガー内覧会に行ってきました。なので今回の写真は美術館より特別に撮影の許可をいただいたものです。

夜の美術館は雰囲気あるね。

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結論からいうと、刀と刀装具の(素人目にも)すごくいいのがたくさんあってよかったです☆*:.。. o(≧▽≦)o .。.:*☆。刀剣に興味あれば大変オススメです。行ったほうがいいよ。

 

今回の展示は副題からわかるように、ここの館蔵品とともに黒川古文化研究所のコレクションがメインになってます(・ω・)ノ。
黒川古文化研究所とは兵庫・西宮の苦楽園にある東洋の古文化研究所。

www.kurokawa-institute.or.jp

あくまで研究所で美術館ではないけど、年2回くらい展覧会をやってるそうです。・・・西宮・・・よさげなので行ってみたいけど関東人には遠いわ(´・ω・`)。兵庫は神戸にしか行ったことないんだよな。


この右上の写真のお2人が設立者の黒川幸七さんご夫妻。証券業で財をなした方だそうです。山種さんと同じだね。(特に)奥様が見るからに賢そうd( ̄  ̄)。顔つきとか着てる着物の感じとか。

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で、研究所の研究員の方のお話も伺うことができたんですが、さすがに造詣が深くて面白かったです。6月17日と7月8日にゲスト・トークがあるみたいなんで可能なら聞きに行くと楽しいかも( ´ ▽ ` )ノ。

 

刀にはいろんな見所があります。

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刀には実は自分が愛でる用とプレゼント用の2種類があったそうです。今でいうとどんなものだろう?金額的にお菓子じゃないし・・・(´・ω・`)。

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んで、もらうのはいいけどお返しが大変。きちんと見合ったモノをお返ししないと後々まで言われる言われる( ̄▽ ̄;)。そんで本阿弥家とかの鑑定業が盛んになったそうです。

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うわあ、大変そう(´・ω・`)。マウンティングの材料とかにもなりそうです。でもその分需要も多くなるから作刀の技術は発展するよね。


そしてこれがプレゼントの価値を担保するためにつけた鑑定書みたいなもの。留帳と折り紙。

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ここから確かな価値のあるものを「折り紙付き」と言うようになりました。これ豆知識な。

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あと一個知ってるとドヤれそうな豆知識ヽ(´▽`)/。名物と呼ばれるものは世の中にたくさんあるが、本当の意味での名物は本阿弥家発行の名物帖に載ってるものだけ。この展示には名物あります。伏見貞宗。国宝です。

 

そんでこっちは主に刀装具(・∀・)。

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戦国時代とかは朱鞘とか黄鞘もいっぱい作られたけど、江戸になってそれらは禁止されたので、鐔とか目貫とか、金具を凝る方に進化のベクトルが向かいました。これは武士の持つ教養人としての側面を遺憾なく発揮してるので、実は能とか謡曲とか俳句とかに精通してないと本当の理解はできないらしい・・・。

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最後には武士の描いた絵も展示されてます。私は渡辺崋山の絵がとても好きですヽ(´▽`)/。

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ということで刀剣好きなら大変オススメです。イベントある日に行くともっと楽しいかも。8月4日まで、六本木の泉屋博古館分館です。いま刀剣モノって人気あるらしいので早め(できれば平日)に行っといた方がいいと思う。

 

んじゃまた!

天理ギャラリー第161回展 漱石 生誕百五十年を記念して@天理ギャラリー

こんにちは。仙です。

今回は天理ギャラリーで開催中の「天理ギャラリー第161回展 漱石 生誕百五十年を記念して」ですヾ(๑╹◡╹)ノ"。

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天理ギャラリーはエントランスはこんな感じ。前回のは写真撮らせてくれたけど、さすがに漱石は権利関係とか難しいのかな。展示室内は全面撮影禁止でした。

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漱石ってすごいよね(・∀・)。ここは小川町だから近くの神保町の本屋とかいくと、新刊でも古書でも関連本が山ほどある。

いつの時代もオワコンにならない優秀コンテンツ・・・不思議(´・_・`)・・・。

 

そんでこの展覧会はとてもよかったですヽ(・∀・)。漱石の直筆原稿や書簡がたくさんある。天理図書館の蔵書恐るべし。正直数年前に見た藝大の漱石関連の展示よりよかったかも・・・。あれとはまた企画が違うけど。

 

とくに書簡を見てると、相手によって字の感じとかがまったく違うので驚きます。見知らぬ読者に宛てた手紙でも、相手にわかりやすく、伝わりやすく心を込めて書いてるのがわかります。

学生から来た手紙に感傷的な言葉が並んでるのを優しく諌めてる手紙とかもありましたヽ(・∀・)。本当に優しい手紙で、もし自分がこんな手紙もらったら相手が文豪じゃない普通の人でも大号泣するなと思った・・・。

そして同時にこんなことしてたんじゃこの人絶対長生きできないわ(´・_・`)、早くに胃を壊して亡くなるのも道理だよ(´・_・`)と思った・・・。

 

他にも自作の宣伝文を知らせるハガキとか、芸者さんにあげた自筆の日本画とか、吾輩は猫であるの印税領収証とかもありました。

校正したのに出版社がそれを直してくれないっていう愚痴の手紙もあった。昔だから写植組んじゃったら直すの大変だったんだろうなと思った。

 

でも一番よかったのはやっぱり子規への手紙かな。癇性な字でびっしりと書かれた長い手紙で、それほどまでに伝えたいことがあったんだなと思った。子規が一番自分をわかってくれる、みたいな信頼を感じました。

 

というわけで、個人的には大変オススメです。6月11日まで。

6月3日にはロバート・キャンベルさんが講演会するみたいです。ご参考までに。

 

んじゃまた!