美術館と美術展とマーケティング(柳宗悦没後60年記念展 民藝の100年@東京国立近代美術館)
こんにちは。仙です。
さわやかな気候ですなぁ。でも立冬だからこれから寒くなるね・・・。
そんで、今回は東京国立近代美術館で開催中の「柳宗悦没後60年記念展 民藝の100年」です。
うん、これは考えさせられる展示でした。民藝っていうと、日本民藝館とか大原美術館とかの趣ある美術館にあんまりキャプションとかなしで静かに展示してるイメージですが、これは民藝運動の進展が時系列に沿って展示されてます。
ずーっと見て行って思った。やはり野に置け蓮華草。民藝館で見るほうがいい。
こういう立派な建物にしっかりした形で展示されてると、民藝運動の金持ちの道楽感が普段見るのの3割増しでにじみ出てる気がする・・・。何というか、キャプションの評論記事を読んでると、思想的な面で、微妙に上からな気が…。スノッブさ?
でも民藝運動って、旧来の芸術のそういう面(金持ちの道楽)を嫌って出てきた思想ですよね?不思議。なんでこんな風に感じるんだろう。
いや、この展示もとても意味のあるものだとは思ってます。日本民藝館とかって正直あんまりバリアフリーじゃないし、展示スペースもそれほどないし、こういう国立の立派な施設でこういう形でまとまって見れるのはいいですよね。私が見に行った日も老若男女(ほんとに赤ちゃんからお年寄りまで)たくさんの人が見に来てました。
あとは民藝って、作品がお店に置いてあるととても魅力的に見えます。展示の第4章「民藝は『編集』する」では、柳さんが「民藝の樹」に図示されるように、出版、美術館、ショップという三本柱をいかに活用したかが考察されてます。だから、柳さんは優秀なマーケターだったんだなと。
私は布モノが好きかな。岩手のホームスパンとか、すてきでした。ネクタイとか、今でもじゅうぶんお洒落な人に売れそう。柳さんが着ていたヘリンボーンのスーツとかもとてもすてきでした。
まあ、非常に興味深い展示なことは確かなので、行ってみてもいいんじゃないかな?
来年の2月13日までMOMATでやってます。
それで平常展の特集も面白かった。「純粋美術と宣伝美術」。
野村の投資信託。なにこれ。怖いんだけど。「咲いた花をおつみになるだけでよいのです」だって。ポエムな感じで煙に巻いてる感じが怖い。絵とか、ポスターとしてはとても美しいだけに怖い。フィデューシャリー・デューティのかけらもないから、今なら金融庁が怒りそう。昔って鋭い時代だったね。世の中は確かに進歩しています。
通常展もよかったです。
おもしろかったです。んじゃまた!