うるしの彩り 漆黒と金銀が織りなす美の世界@泉屋博古館分館
こんにちは。仙です。暑いねぇ (A;´・д・)ゞ。
私は7年近く使ったPCがついにダメになりそうです ( ̄▽ ̄;)・・・(まだ使ってるけど)。ノートの寿命は5年っていうよね(・Д・)ノ。次をどれにするかはまだ決まらない・・・年初から悩んでて今も悩んでる・・・壊れてはいないんだよね。ボロなだけで(・∀・)。
さて、今回は泉屋博古館分館で開催中の「うるしの彩り 漆黒と金銀が織りなす美の世界」ですヾ(๑╹◡╹)ノ"。しばらくマニアックな展示の記事が続いたので正統派なのに行きたいなと思って。
そして今回は仕事の都合がついたのでブロガー内覧会に行ってみました。ということで展覧会の様子を写真におさめています。掲載の写真は美術館より特別の許可をいただいてることを申し添えます。
いつもながら素敵な泉屋博古館分館。うしろの赤いのはスウェーデン大使館の柵。大使館があるのって一等地の証だよね。
漆かぁ。英語で漆のことをjapanese lacquer(ジャパニーズラッカー)っていうってのは本当のことですかね?ラッカーって塗料全般のことだと思ってた。
そして漆器って意外と庶民でも持ってますよねヽ(・∀・)。自分もお椀とかお箸とかは漆器を使ってます。でもそれは美術品というより生活に使う道具、って感じですが。
もちろん今回は日常とはかけはなれた美術品です。こんなのとか。ゴージャスな螺鈿。
今回は、言ってみれば館蔵品展だけど、東京初上陸なものがたくさんあるそうです。その理由は
1.京都本館の所蔵だから
2.今まで住友本家で使用していたから
だそうです。なるほど(・∀・)。
そんでこの展示は大まかに言って三部構成です。
- 能に関する漆芸
鼓とか
笛とか
これも謡関連。謡曲を題材にしてるんだって。誰が袖図屏風と衣桁。
そんで住友家では茶臼山のお屋敷とかで謡の会をやってたと。
その時にはこんなお膳とかお盆を出したと。
こういう文化は関東の庶民として普通に生きてるとまったく触れることができないので見てるととても面白いよ。
能かぁ。昔は謡曲が日本人の共通した教養だった時代もあったんだねぇ。今はジャンル全体として厳しくなってる印象です(´・ω・`)。能楽堂とか薪能とかの華やかな話もあるけど、それを支える裾野がどうかっていうと・・・。
でもだからこそ、こうやって形に残ってるものは大切にしたいです。
- 海外の漆芸作品。
どっちかというと、日本=蒔絵、中国=螺鈿、彫漆らしい。
確かに彫漆(ちょうしつ・堆朱とか堆黄とか)は中国!って感じがします。これは漆をとても厚く塗って、それをカービングしていくというとてもロスの多い技法なんだそうです。漆ってとても高価なのに(´・ω・`)。
螺鈿は貝を漆にはめ込む技法。
鼻煙壺!嗅ぎ煙草の道具だそうです。
堆朱の赤ってきれいだよね。彫漆も螺鈿も、中国では日常使いで消費されてしまってるので、お宝として保存してる日本のほうが質量ともに圧倒的に蔵してるらしいです。
螺鈿の箱のほうは朝鮮の工芸品です。あっちの民藝は箱類がいいとこういうのを日本民藝館で見るたび思う。
赤いのは琉球で作られました。土地柄をあらわしたおおらかな作風。
- 近代の漆芸家たち。主に明治後期~大正期にかけて。
最後のターン。近代の漆芸家。住友家がスポンサードしてた人もたくさんいます。こういう豪華なのは注文してくれる人がいないと作れないもんね。組香の道具とか。どう使うんだろう!?
というわけで、日ごろ触れることのできない京都の雅やかな雰囲気に触れられるとても良い展示だと思います。コレクションの礎を築いた住友春翠は公家の出身で、京都の文化をとても愛してたんだって。どの作品も闇に映える美しさです。浮かび上がるような。ご興味ある方はぜひ。7月16日まで、六本木一丁目の泉屋博古館分館で開催してます。
あとはいろんなイベントもあるみたい。木曜のランチタイムにはショート・ギャラリートークをしてるらしいです。多分ターゲットは近隣で働く人かな?お近くの方はぜひぜひ。
ここは住友家の麻布別邸だったところらしいです。けっこう庭に花があります。今回は撮影できなかったけど、今はアジサイとかか。やっぱり昔はすごい庭園だったらしいですよ。
んじゃまた。今週はプーシキンも行ったよ!
小泉八雲 ラフカディオ・ハーン@天理ギャラリーと日比谷図書館など
こんにちは。仙です。
今回は神田の天理ギャラリーでやってる「小泉八雲 ラフカディオ・ハーン」に行ってきましたヾ(๑╹◡╹)ノ"。
ここのギャラリーは独特の題材のチョイスなのでつい見に来てしまう( ̄▽ ̄)・・・。久しぶりに来たのですが、少し改装されてました。
このビルの9階なんですけど、以前はとても奥まったところだったのが、エレベーター降りてすぐのところになりました(・ω・)ノ。入りやすくなったかも。そして少し小さくなったかな。でもギャラリーとしてはじゅうぶんな大きいです。
そして普通になった( ̄▽ ̄)。前は和室を改造してる?みたいな感じで障子越しに外の光が入ってたり、正直設備的にいかがなものか(´・ω・`)と思ってたのが普通の照明になってました。よかったヽ(´▽`)/!
展示のほうもよかったです。小泉八雲の著作と書簡等がたくさんありました。
著作のほうは、小泉八雲は帝大の講師としては夏目漱石の前任だけど、時代なのかな。漱石の(初版)本のように大変装丁が美しいです。アール・ヌーヴォー的な植物モチーフが多い。本人も気に入ってて蓮の本、竹の本、桜の本みたいに植物名で著作を呼んでたそうです。
内容もいろんなのがあって面白かったです。「怪談」は代表作で学校で習った覚えがあるけど、その他にもたくさん。「世にも奇妙な物語」とかで原案としてそのまま使えそうなやつもけっこうある。
- 小僧さんが絵に描いた猫がネズミの化け物を退治した話(挿絵が鈴木華邨)
- 怠け者の奥さんが使用済みの爪楊枝を捨てるのが面倒で畳の縁に突っ込んでたらそれが妖怪になった話(爪楊枝を焼き捨ててめでたしめでたし)
- 転がったお団子をおいかけて落ちた穴から異世界に行ったおばあさんが、鬼の住む異世界からいくらでも米が出てくるしゃもじを持ち逃げしてきて、こちらでお団子屋さんを開き大成功する話
- おじいさんが若返りの泉を発見して若さと健康を取り戻し、おばあさんに教えてあげたところが、おばあさんは泉の水を飲みすぎて赤ん坊にかえってしまう話(これはすごく評判がよくてすごく売れたらしい)。
- 亡くなった妻に再婚しないという誓いをたてていた武士がそれを違えて嫁をとったところ、前妻の亡霊に後妻が首をもぎとられてしまう話
その他いろいろ。最後の奴とかきついよね(´・ω・`)・・・。
これは多分貞節の問題ではなく、武士なのに適当なこと言って約束を違えたのが責められポイントなんじゃないかと思います。武士に二言はないってことで。
書簡はすごく小さくて丸い感じの字が印象的。かわいいです。奥さん(小泉セツ)に宛てた手紙には非常に濃やかな情愛が滲み出ています(*'▽'*)。
他にもいろんな手紙があるけれど、ヴィカーズという人に出した書簡は魔術書の稿本のありかを尋ねる手紙です。そしてヴィカーズさんはその時期牧師さんだったらしい。この時代に牧師さんが魔術書を・・・確実にバレたらヤバい案件だよね。興味深いわぁ(・∀・)。
他には名刺がとてもかわいかった。字体といい文字の配置といいすばらしい。書いてるのは名前と住所だけなんだけどそのバランスがかわいい。フリーランスで名刺を作ろうとしている人はぜひ参考にしたほうがいいと思います。チェンバレンの古事記とか小泉家の写真とかいろいろあったよ。
ということで、小泉八雲周辺に興味ある人はおすすめです。6月10日まで神田の天理ギャラリーでやってます。
天理ギャラリー周辺は土曜日とかこんな感じで人通りも車も少ない。静かでいいところ。
実は立地も最高。皇居まで徒歩で20分もあれば行けると思う。
ということで歩いてきました。日比谷図書館。大正モダーンズを見ようと思ったらまだやってなかったわ( ̄▽ ̄;)。失敗失敗。あとで東京ステーションギャラリーの夢二の展示といっしょに来ようっと。
魔術書の類なら日比谷図書館のグリーンゾーンにあります。
日比谷公園は花がきれいに整備されてます。週末は日比谷ガーデンだったのでみんな座り込んでビール飲んでた。
ドクダミは花は可憐だよね。
最近読んだ本。津軽のカミサマ(イタコ、ゴミソ、オシラの3祈祷師)についてのルポ。
とても面白かったです。意外とこういうのって本にはまとまってないんだよね( ̄▽ ̄;)。日本の普遍的な信仰の形だよなと思いました。
実は私は津軽のカミサマには行ったことあります。友人の相談に付き合って行った(外で待ってただけ)。津軽の自然はすばらしい。
んじゃまた!
第14回展 インド木版更紗ー村々で出会った文様の原型@岩立フォークテキスタイルミュージアム&チャペック兄弟と子どもの世界~20世紀はじめ、チェコのマルチアーティスト@渋谷区立松濤美術館
こんにちは。仙です。
今回は自由が丘の岩立フォークテキスタイルミュージアムで開催中の「第14回展 インド木版更紗ー村々で出会った文様の原型」と渋谷区立松濤美術館で開催中の「チャペック兄弟と子どもの世界~20世紀はじめ、チェコのマルチアーティスト」ですヾ(๑╹◡╹)ノ"。
まず岩立フォークテキスタイルミュージアム。お久しぶりの来訪です。週末の自由が丘は基本混雑してます・・・。
今回はタイトル通り、館長の岩立さんが50年かけて蒐集したインドの木版更紗の展示です。ここの展示はボリュームはそれほどなのですが(私設だし・・・)ひとりの収集家がこだわってコレクションした布を手に入れたときの生き生きしたエピソードをキャプションに付して展示してくれてるので非常に見どころ多いなと思います(・ω・)ノ。情報量多い。
今回印象的だった話。
- サンガネール地方では新鮮な牛糞で布を漂白する。現物も展示してあったけど、オフホワイトで美しく仕上がってたよ。
- 壺造りの女性、農業の人、泥棒のカーストの人(´・_・`)、それぞれのカーストによって木版の模様は違う。木版職人はカトリという名前。
- ポスターになっている女神崇拝の人々の間で使われた儀式の染布は寺院を持てない貧しいハリジャンの人たちに使われて愛された布。拙いけどとても魅力があります。今でも作られているそうです・・・。
- ヴィシュノイっていう種族がいる。ヴィシュノイっていうのは29っていう意味。29の戒律を厳密に守っているからヴィシュノイ。
あとはガーガラ(インドの女性が着てるギャザースカート)の作り方のチラシ?が置いてありました。見てみたらほんとの直線裁ちで延々と縫い合わせるやつで、型紙なくてもできると思う。でも日本の女性には難しそうな形。お子さんなら似合いそうと思う。布は物販で売ってます。いい布ばかり。お高いけど(手仕事なので当たり前)。
ということで今回も面白かったです。入館料500円で週末のみの営業です。たまにギャラリートークとかもあるそうです。7月14日までの会期です。
廊下にちょっとだけ布がかかってる。お向かいにリンツカフェ。帰りに寄ってけばいいと思う。アイスチョコレートでも。暑いし。
次は渋谷区立松濤美術館で開催中の「チャペック兄弟と子どもの世界~20世紀はじめ、チェコのマルチアーティスト」です。
チャペック兄弟はロボットという言葉を作った&ダーシェンカを書いた弟のカレルのほうがメジャーだと思うんですが、今回は兄のヨゼフのほうがメインです。
ヨゼフの作品を時系列で見ていくと、もともとはモノトーンでいかにも前衛だった作風が(キュビズムのひとらしい)、結婚してお子さんができてから本当にカラフルに幸せそうになるので、すなおに「おめでとうございますヽ(´▽`)/」と言いたくなります。
そして商業デザインとしても非常に魅力的です。来場者の割に物販に集ってる人の数が多かった気がする。マステとかポストカードとか。普段グッズスルーしがちな私もクリアファイルとか買ってしまいました。かわいいんだよヽ(・∀・)。
こっちは舞台美術をもとにした撮影スポットらしい。
もちろんダーシェンカの絵とか写真もあったよ。みんなニヤニヤしながら見てた。ダーシェンカ知ってる?
ダーシェンカはワイヤー・フォックス・テリアですが、日本でも大正時代に流行った犬種だったみたい。テリアかぁ。流行りで飼って大丈夫だったのかなぁ( ̄▽ ̄;)? そして他の本も日本でもたくさん出版されてるんだね。ヨゼフのほうもけっこうあります。みんなかわいいです。
この兄弟、キャプションによると二軒家に住んでたそうです。二軒家って何ぞ?二世帯住宅みたいなもの?母屋と離れみたいな?検索したら地名しか出てきませんでした・・・。
こちらはもう会期が残り少なくて5月27日までです。気軽に楽しめる感じなので(歴史的に重い背景はあるけど)、興味あればぜひどうぞ。
次はアンティークレースの展示みたいです。これも見たいな。
んじゃまた!