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基本は美術鑑賞ブログです。「とりあえず正直に」がモットーです。忙しくても気楽にいきましょう。

三井家のおひなさま@三井記念美術館&企画展 祭祀と神話 神道入門@國學院大學博物館

こんにちは。仙です。3月ですな。まだ結構寒いけどそろそろ春物出さなくてはいかん。いきなり暖かくなって着るものなくなると困るしσ(^_^;)。

 

さて、今回はひな祭りには遅いんですが、三井記念美術館で開催中の「三井家のおひなさま」に行ってきましたヾ(๑╹◡╹)ノ"。

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次回は西大寺展みたいです。

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三井家のおひなさま・・・毎年来てる気がするけど、いつ見ても豪華ですごいと思います(*'▽'*)。すばらしい保存状態。お道具類もすべて超絶技巧です。もちろん塗りが禿げてたりする・・・わけない( ̄▽ ̄)。きっと昔は毎年たくさんの女中さんたちが総出で飾ったりしたのかなと往時を想像する。

 

今回は会場のいろんなところに「おはなしは静かな声でお願いします」という立て札がある。きっとみんなお人形を見て思わず「まあかわいい。すごいわねぇ❤︎」という心の声を大きめのボリュームで口にしてると推理します(^_^;)。気持ちはわかりますがそこはぐっとこらえましょう。

 

今回は最後の展示室に「三井家の別荘・城山荘の思い出」という特集展示があります。城山荘とは三井総領家の別邸。じょうざんそうと読みます。城山焼っていう焼物もある。

昭和10年の東伏見宮大妃の城山荘訪問の様子が映像資料で上映されてます。こういうの好きなのでかぶりつきでガン見しました( ・∇・)。
この資料は三井家で私的に所蔵してたもので公的には記録が残ってないらしい・・・これってオリジナルはどんなメディアだったんだろう?その時代8ミリとかあるのかな?戦前の富裕層ハンパない( ̄▽ ̄)。みんなで城山焼の絵付けをしてるのが楽しそうでしたヽ(´▽`)/。

 

というわけで楽しい展示でした。
お人形好きな方ならもっと楽しめると思う。ご興味あれば。4月2日までです。

 

これだけじゃアレなので國學院大學博物館で開催してる「企画展 祭祀と神話 神道入門」です。

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私は行ったときにはおひなさまが飾ってあった。
多分これは歴史あるおひなさま。

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企画展のほうは神話と祭祀ということで、古事記とか日本書紀とかの貴重そうなバージョンがたくさんありました_φ(・_・。

展示を見てると(たぶん)國學院の先生らしき人がお客様を案内して入ってきた。ななめ後ろくらいにさりげなく陣取っておこぼれを拝聴する。けどやっぱり小声なのであんまり聞き取れなくて途中であきらめた( ̄▽ ̄)。

でも説明聞けなくてもそれなりに楽しめました。

資料はどれも貴重そうなんだけど、祭祀の式次第みたいのがすばらしくて驚く(● ˃̶͈̀ロ˂̶͈́)੭ꠥ⁾⁾


図解を駆使し、人の動線を考慮したマニュアル。すばらしい。やっぱり昔の神職の方々も

  • 頻度がかなり少なくて(祭祀だし)
  • しかも失敗が絶対許されないこと

なのですごく工夫して作ったんだと思う

この技術があればマニュアル作成セミナーとかで稼げそうなレベルです( ´ ▽ ` )。一見の価値ある。
もしご興味あればぜひ。企画展は4月9日までだそうです。

 

写真可能エリアをいつもどおり撮影。

樋口清之先生。本読んだことあるよ。梅干しと日本刀。

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勾玉も剣も絵になるので・・・。

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 黒曜石は日本でもたくさん採れる。

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んじゃまた。次は週末です。

天理ギャラリー第160回展 いのりのかたちーキリスト教と民間信仰ー@天理ギャラリー

こんにちは。仙です。花粉、飛んでますね。こういうものを買ってみたけど効いてるんだか効いてないんだかよくわかんない・・・。 

アレルシャット 花粉イオンでブロック 160回分

アレルシャット 花粉イオンでブロック 160回分

 

 

さて、今回は神田小川町の天理ギャラリーで開催中の「天理ギャラリー第160回展 いのりのかたちーキリスト教と民間信仰ー」に行ってきました( ´ ▽ ` )ノ。

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ちなみに私はここにはけっこう行ってるけど、自分の行動圏内のギャラリーなので行きやすいだけで、天理教信者ではないです。たぶん基本誰でもウェルカムな施設だと思う(´・ω・)。

 

ちょっとマイナーな(ごめんなさい)展覧会なのですが、個人的には現時点で今年のベストだなと思う展覧会なので感想を書き留めておきたいと思います_φ( ̄ー ̄ )。

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観客もたくさんいた。私のほかに5名ほど。ここは今まで自分以外の観客って見たことなかったのでけっこう評判いいんだと思う(・∀・)。


そんでとてもよかったので受付のお姉さんに「写真はやっぱり禁止でしょうか?」と聞いてみたらあっさりOKでしたヽ(*^ω^*)ノ。全部所蔵品で、権利関係もネットに上げてもぜんぜん問題ないそうなのでたくさん撮影してきましたのでご覧ください。

 

この展覧会では、祈りの際に用いられるモノに焦点をあてて、それぞれの用途や背景にある信仰的な意味合いを紹介する、ということで、主にキリスト教徒が多く分布するヨーロッパと北アフリカ、土着の信仰とキリスト教が互いに影響を及ぼしながら併存する中南米の資料の展示です。
すごい貴重っていうか、日本国内では珍しい資料がそろってると思う( ̄▽ ̄)。自分は高校大学とカトリックの学校行ってたけど、このあたりの研究してる神父さんはあんまり見たことないσ(^_^;)・・・いちおう当事者なのに。特に中南米北アフリカ。すごいコレクションだと思う。

 

この黒いのはエチオピア正教の聖職者が着る法服。意外と後ろのピンクの花柄がカソリックなんだよね。

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エチオピアのイコン。手前のタピスリータイプのは初めて見た。真ん中辺の写真はエチオピア王国最後の王様。

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これもエチオピア正教豆本的なつくりの祈祷書手持ち十字架。十字架の下の四角いのは契約の箱。契約の箱はモーセの十戒が刻まれた石板が収められた箱のこと。エチオピアにあると信じられてるそうです。

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これもカソリックの祭服。後ろ向きだけど手前の赤いのはギリシャ正教の。

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手前は聖ゲオルギウス。竜を倒す姿が西洋の絵画にあるよね?奥は聖クラウス。サンタクロースの原型。

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ケンブリッジ大学は神学の最高権威。奥のペンダントはエチオピア。全部十字架。エチオピアの十字架はいろいろバリエーションがある。

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こっちは中南米。蛇女神像とかミノタウロス像。イースターエッグはとても美しいペイント。

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これも中南米。マリア様にエスニックな貫頭衣を着せるみたいです。仮面や祈願絵馬もある。

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これも祈願奉納物。心臓、肺、胃や足など身体の一部のレリーフが銀で作られている。自分の一部を捧げて神に祈るのか。

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金色のケースと黒い鞄はホスチア(聖体拝領に使うパン)を入れるやつ。分けてもらって食べたことある。味はない。最中の皮みたいな食感だった。儀式に使うフランキンセンスもあった。

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あとは映像資料で国立民族学博物館(大阪にあるやつ)作成のVTRも流れてた。とても面白い。2つとも見ると1時間弱だけどずっと見てられる。

  • サンティアゴ・デ・コンポステーラのドキュメンタリー。ひとことで言うとヨーロッパのお遍路さんサンティアゴ・デ・コンポステーラ(聖ヤコブの遺骸があるといわれる)までのすごい長い巡礼路があって、宗教的な理由で(←これ大事)目的地前の100kmを徒歩で巡礼すると巡礼証明書がもらえる。自転車OKだけど、その場合は倍の200kmを走らないとダメ。巡礼手帖に巡礼先のハンコを押してもらう。ご朱印のように。それを集めて見せっこしてたりする。巡礼手帳を持ってると安価な宿泊施設に泊まれたりするようです。

jp.france.fr

 

  • ルーマニア生神女就寝祭の映像。8月15日にこのお祭りが行わる修道院には涙を流す(流したことがある)マリア様のイコンがあるそうです。東欧の土着宗教の名残が感じられる。お祭りでは信者が修道院に集まって周りを囲み、肘と膝をついた格好で(四つん這い)ひたすら行進する・・・信仰って奥深い(´・ω・`)・・・。

    生神女就寝祭 - Wikipedia

ということで大変おすすめな展覧会です。面白かったヽ(´▽`)/。4月1日まで。
都合がつけば是非。

 

じゃ、また。次は多分水曜。

ティツィアーノとヴェネツィア派展@東京都美術館&このごろ見た映画

こんにちは。仙です。
東京都美術館で開催中のティツィアーノヴェネツィア派展」に行ってきました( ´ ▽ ` )ノ。

f:id:impatiens101:20170304172026j:plain今回はカメラを忘れた(´・_・`)・・・このごろ写真がよくなってきた(当社比)ところなのに・・・。やっぱり見比べると画質違うよな(´・_・`)。

上野公園の桜。  

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そんで肝心の展覧会についてですが、あまり混雑してなくてゆっくり快適に見れました(^ω^)。

あれ?おかしいな?

  • 土曜日だったのに。
  • 日曜美術館とかで取り上げてたって聞いてたから絶対混雑してると思ったのに。
  • ひたすら美しい絵画が主だから日本人ウケしそうなのに。

個人的にはゆっくり見れてラッキーだったけど、せっかくよい展示なのでたくさんの人に見に行ってほしいな。4月2日までなので春休みにでもどうぞヽ(´▽`)/。

 

内容的にはひたすら美しい絵がたくさんある感じです。ティントレットヴェロネーゼとかのヴェベツィア派の絵もたくさんあります。タイトルのティツィアーノの作品は全部で7点(工房作品はうち2点)
ティツィアーノはやっぱり他のヴェネツィア派の作家から際立って見える気がする。肌と髪の質感の違いかな。
「フローラ」の陶器のような肌、「ダナエ」のちょっと上気してるのがうかがいしれる頬の感じ。この絵ね。

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マグダラのマリアの胸にかかるちょっと透け感ある巻き毛とか。大変美しいです(╹◡╹)。


意外と女性モチーフでない作品もよい感じ。教皇パウルス3世の肖像」の髪とかのちょっとドライな感じとかは非常に繊細で印象的です(・ω・)ノ。

 

あと宝石の描写とかもすごい。「教皇パウルス3世の肖像」で、教皇が右手にはめてる指輪とか。多分サファイアだと思うけど、彼の自負と権力が忍ばれる輝きです( ´ ▽ ` )ノ。

ほかにも鳥瞰図とかいろんな絵があります。好きな方はオススメですし、ひたすらきれいなので癒されにいくのもよいかと思います。4月2日まで。

 

そしてこれは最近見た映画。ヴィスコンティ「家族の肖像」。ツイートはしてみたけどここにも書く。イタリアつながりで。


映画『家族の肖像 デジタル完全修復版』予告編

  • 岩波ホールで上映中。
  • 観客はほとんどご高齢の方。若者は見あたらない。
  • 遅い時間だったので入りも半分くらい?面白いのにもったいない。次いつかかるかわからないしたくさんの人に見てほしいな。

映画のテーマは老境にさしかかった人間の孤独ですかね(´・ω・)?でも、ヴィスコンティって若さが魅力的な作家ではないのでうら寂しい気分にはならない。本物の貴族出身だから?すべてがゴージャス。登場人物がすっごい毛皮とか着たりする・・・。そして食卓で煙草を吸う・・・時代を感じる。
主人公の教授が集めているのはアーサー・ディヴィスの描く家族の肖像。人間の孤独って味わい深い(´-ω-`)。

じゃ、また。次は週末です。