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基本は美術鑑賞ブログです。「とりあえず正直に」がモットーです。忙しくても気楽にいきましょう。

ユトリロとヴァラドンー母と子の物語ースュザンヌ・ヴァラドン生誕150年ー@東郷青児記念 損保ジャパン日本興亜美術館

こんにちは。仙です。
東郷青児記念 損保ジャパン日本興亜美術館で開催中のユトリロとヴァラドンー母と子の物語ースュザンヌ・ヴァラドン生誕150年ー」展に行ってきました。ここって、あんまり写真撮れるところないよね。今回は一枚だけ。

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そんで、肝心の内容についてですが・・・今回はあんまり・・・。
いや、絵画自体はとってもいいと思います(≧∇≦)。
思いますが、ちょっとキャプションが・・・スュザンヌさんの行いがけっこうひどいので、何か読んでて暗い気持ちに。こういうかわいそうな話って苦手・・・鬱物件でした。題名見て無意識にほのぼのした親子を想像してしまってたようです(ヽ´ω`)。無知なので。

 

【スュザンヌさんの行い】

  1. 若いころは美貌のモデルとして錚々たる有名画家にモテモテ
  2. 18歳で未婚でモーリス(画家ユトリロ・父親不詳)を出産。
  3. 子育ては母親に基本丸投げ
  4. 資産家と結婚するものの40なかばで息子の親友と恋に落ちて家庭を捨てて再婚(夫はもともと画家志望だったが断念。夫婦でユトリロのマネジャーみたいな存在に。←売れっ子画家(しかもメンタルが脆弱)の息子にぶらさがってたっぽい・・・)

んー、まあ、個々の行動を見ると「自分に正直なのね♥」と言えなくもないんですが、ユトリロ13歳で深刻なアルコール中毒に陥ってたことを考えると、やっぱり暗い気持ちに。


・・・この辺で絵の感想に行きましょうか。
ユトリロは押しも押されぬ有名画家ですよね。
若い時から白の時代」、「色彩の時代」、晩年の作品とよい作品が万遍なくあります。キレイな色使いだよね。夢のような、現実のような・・・。彼の絵の情景を行きかう人々はほとんど後ろを向いていて、表情を読み取れません。
彼の中での世界って、こんな風景なんでしょうね(´;ω;`)ウッ・・・。

対してお母さんのヴァラドンは押し出しがいいというか、野性的な線の絵をたくさん描いてます。デッサンは生前からかなり高く評価されてたみたいです。
ポートレイトもありますが、さすがの美しさです。友人に送った自画像とかを見ると、なかなかユーモアもあってかわいい人だったみたい。

気になった点としては、男性を描いた絵より女性の絵のほうが力が入ってて出来もよい(ように見える)ことかな。
何でかな~。たとえば、息子を描いた絵より息子のヨメを描いた絵のほうがよかった気がする。裸婦像とかも丁寧に描かれててよかったです。男性の絵って、点数自体少ないし(日本に来てないだけかも)、あんまりパッションを感じない・・・。歴代の夫(彼氏)の絵とかもっとないのかな?
奔放な女性、みたいな言い方をされますが、何かいろいろと疑問です。

 

あとは彼女の顔
若いころはやっぱり美しいです。とてもきれい。ルノワールの絵に描かれた彼女も初々しくてきれいだよね。去年かな?八王子の富士美術館で展示あったとき見たよ。たくさん人が集ってた。
でも、そんな美貌の彼女も年を重ねるにつれて、だんだん表情が険しくなっていきます。50歳すぎと思われる肖像写真もあったのですが、苦悩の深そうな眉間のしわやへの字に口角を下げた表情が、その母親(モーリスの祖母)マドレーヌの晩年に生き写しだったのに、親子の絆という名の因縁を感じました(´・ω・`)。
マドレーヌもシュザンヌを私生児として生んでるんだよね・・・。母の呪縛というか。

 

というわけで、いろいろと考えさせられますが、ふたりの作品自体はどれもすばらしいと思います。
お時間があれば、新宿までぜひ行ってみてくださいヾ(〃^∇^)ノ。6月28日まで。

じゃ、またね。