easy busy

基本は美術鑑賞ブログです。「とりあえず正直に」がモットーです。忙しくても気楽にいきましょう。

ギュスターヴ・モロー展 ― サロメと宿命の女たち ―@パナソニック汐留美術館 &イメージコレクター・杉浦非水展@東京国立近代美術館

こんにちは。仙です。

やっと2019年のぐるっとパスが発売されましたね( ̄▽ ̄)。

www.rekibun.or.jp

ということで、さっそく購入して行ってきました。パナソニック留美術館で開催中のギュスターヴ・モロー展 ― サロメと宿命の女たち ―」です。

f:id:impatiens101:20190413135956j:plain

やっぱりnova3のAIカメラはコントラスト強いです。

いつの間にか美術館の名前が改名されていて驚く。やっぱり令和だから?違うか( ̄▽ ̄;)。でもこういう細かいところに時代の流れが意外と現れてくると個人的には思ってるので、令和はきっと和物を尊ぶ時代になるのでは。けっこう改元が楽しみ。

bijutsutecho.com

 

モロー展はよかったです。そして混んでいたd( ̄  ̄)。基本土曜の午後に行ってるんで、あんまりスカスカな事態は想定してないんですが、この美術館で入場制限がかかってるのにははじめて遭遇しました。正直展示作品数の割に面積が狭いので仕方ないです。でも別に見づらくはなかった。

f:id:impatiens101:20190413151515j:plain

撮影スポット。椅子に座って写真が撮れる。

モローの絵は見たことないのがいっぱい見れました。全部とてもよいです。よく貸してくれたねぇ。個人的にはモローにファンタジーっぽく幻想的に振り切れたイメージを持ってたのですが、そんなことなかったので苦手なものも試しに見ておくもんだ(・∀・)と思いました。

どっちかっていえば抑制のきいた画面だと思う。サロメも他の画家の作品にくらべて中性的な印象。とても好きな作風です。色彩も極めて美しいです。

 

洗礼者ヨハネの首を見てる場面とか、神話モチーフの作品の構図には幻想的な光景も多々あるのですが、きっと彼の内的世界では実際にその光景が見えてるんだと思います。そんな感じ。リアリズム。

 

モローって、ひきこもり的な言われ方をすることが多いと思うのですが、今回展示してあった資料を見て思いました。そんなことないじゃん(・ω・)。まあ晩年とはいえ、ルオーやマティスを教え導いたなら社会的にも実りある人生だったと思うよ?まあ、やっぱり独身だといろいろ言われるよね。わかる。以前に東芝ルポルタージュ本を読んでたら、ひとり独身だった社長さんがいて、著者にそこを一番あげつらわれていました。いや、経営が傾いたのはそのせいじゃないから・・・。

 

ということで、モローの絵が好きな人はぜひ。行く価値あると思います。6月23日までやってます。GWはやっぱり混むかな?

f:id:impatiens101:20190413131044j:plain

何の花かはよくわからん。ビルの前に咲いていた。

そしてMOMATの常設展の特集展示「イメージコレクター・杉浦非水展」にも行ってきました。

f:id:impatiens101:20190413172717j:plain

いやー、大事だよね。イメージ。

グラフィック・デザイナーとしてとても優秀だったんだな、と思います。素描だけだとそんなに・・・と思うけど、ポスターや雑誌の表紙はとても印象的。

個人的には南満州鉄道(満鉄)星製薬(星新一の実家だよね)のポスターが好きでした。どっちも女神がモチーフのような。

 

あとはプライベートフィルムがよかった。まあ上流階級の人なんだろうけど、写ってる人はみんな男性は立派で女性は美人です。基本。彫りが深くて。藤田嗣治メインのフィルムもあったけど、まだその辺のお兄ちゃん感が残る容姿でした。フランス人奥様はおきれいでしたが。

あと猫動画と犬動画がかわいかった。猫はひたすらごろごろ転がって、ダルメシアン混じってそうな犬はひたすらはしゃいでた。現代にYouTubeにあげられててもまったくおかしくない仕上がり。超かわいいです。

 

デザインに興味ある人におすすめです。5月26日まで。

 

常設もいいです。

f:id:impatiens101:20190413164852j:plain

漆黒と金色はよく合うよね

花見がテーマだった気がする。

f:id:impatiens101:20190413165732j:plain

f:id:impatiens101:20190413165840j:plain

f:id:impatiens101:20190413165857j:plain

秀吉は茶会の後利休に切腹させるんだっけ

MOMATから見る桜は散りかけでした。が、これはこれで。

f:id:impatiens101:20190413172818j:plain

夏には高畑勲展をやるそうです。へぇぇー。

f:id:impatiens101:20190413173344j:plain

寒い日もあるけど、いい季節になりましたね。

んじゃまた!

ラファエル前派の軌跡展@三菱一号館美術館

こんにちは。仙です。
今回は、三菱一号館美術館で開催中の「ラファエル前派の軌跡展」です。

f:id:impatiens101:20190406180936j:plain

f:id:impatiens101:20190406180827j:plain

美術館の中庭は綺麗だったです。桜ももう終わりですね・・・。

f:id:impatiens101:20190406180818j:plain

今回は、ラスキン生誕200年」ってことで評論家・思想家のジョン・ラスキンをフィーチャーした展示になってます。
皆さん、ラスキンってどんなイメージですか?私は高校の時英語のリーダーの教本にこの人の文章がやたら使われてた覚えがあります。嫌いじゃないです。

 

ただ、やっぱりこのエピソードは印象深いよね。最初の奥さんがミレイに不倫略奪された件・・・。もう生誕から200年だからさ、こういうゲスなエピソードじゃなくて、純粋に作品だけで評価されてもよさそうなものだけど、こういう生々しいエピソードはなかなか風化しないんだよね。 あと100年くらいは言われそう。ラスキンの性癖についてはいろんな話があるけど、他人からはわかんないよね。とりあえず罪な女。エフィーさん。

f:id:impatiens101:20190406172623j:plain

やっぱり美人だ

 

展示の構成としては、初めはラスキン自身と彼の愛したターナーの素描、 次にラファエル前派(ミレイの作品もたくさん)、 後はラファエル前派周縁エドワード・バーン・ジョーンズ、最後にウィリアムモリスとモリス商会周辺

今回は写真可のエリアが広くていろんなのが撮れたので上げておく。どれも美しかったです。

花の描き方をラスキンに文句付けられたみたい。

f:id:impatiens101:20190406172401j:plain

ドラマチックな場面展開

f:id:impatiens101:20190406172747j:plain

ミレイの中でもこの辺は好き。キリストのたとえ話。

f:id:impatiens101:20190406172814j:plain

ロセッティのガラハッド

f:id:impatiens101:20190406172933j:plain

なんとなくいろいろ察する絵。

f:id:impatiens101:20190406172944j:plain

ゴージャスな美人。

f:id:impatiens101:20190406172918j:plain

どれもすごくきれいでとても美しいな、とは思うんですが、ごめん、トータルでは自分の好みから外れがち・・・絵画っていうかイラストか漫画っぽい。ラスキンターナーの素描や水彩は、この感じどこかで見たことある・・・と思ったら、たぶん安彦良和ガンダムのひと)の漫画かなと思った。ジブリではない。

 

 渋いマンガを描いてらっしゃる。

愛蔵版 イエス

愛蔵版 イエス

 

安彦さん、すごく絵が上手いよねぇ。若めの日本画家の方にもこんな作風の人がいた気がする。

 

あとはちょいラノベっぽいアーサー王伝説モチーフの作品がたくさんあったわ。幻想的な主題には幻想的な画面じゃなくてもうちょっと理性を効かせて抑えてほしいなと思うほうです。ということで、自分はバーン・ジョーンズの作品が一番好きでした。いや、どことは正確に言えないけど。ウィリアム・モリスも好きです。安定してる。

f:id:impatiens101:20190406173142j:plain

ラスキンホイッスラーの裁判でも有名ですよね。いろんなトラブルからは、彼があんまり人格円満なタイプではなかったことが感じられます。日本ではあんまり人気出なそうかなぁ。でも、私としてはけっこうすごい業績のひとなので、作品とかまとめて見られてうれしいです。けっこうおすすめです。お好きな方、どうぞ。6月9日までやってるってよ。

f:id:impatiens101:20190406173001j:plain

次はジョセフ・コーネルとへたうま日本美術に行きたい。けど行けるかな?んじゃまた!

特別展「国宝 東寺―空海と仏像曼荼羅」@ 東京国立博物館平成館&今年の桜について

こんにちは。仙です。

今回は東京国立博物館平成館で開催中の特別展「国宝 東寺―空海と仏像曼荼羅に行ってきました。

f:id:impatiens101:20190330170436j:plain

結論から言っておくと、かなり興味深かったです。東寺って、京都駅から かなり近いじゃないですか?だから、京都に行ってもメインで行くというよりは、正直時間調整に使うと言うか、ついでに行くと言うか・・・自分の中では観光でそういう使い方をしていたので、改めてメインでガッツリ見られるのはよかったし、楽しかったです。

 

そして感想は一言で言える。空海は天才」。それ以外ないです。

今でもじゅうぶんカリスマですよね。難解な仏教思想を図解や立体を駆使して具体的に説いてます。そして書家としてもすごいです。この展覧会にも最澄に宛てた手紙の風信帖が出展されてました。書の展覧会だと空海の書って結構出てくるのですが、これはその中でもすごくちゃんと書かれてます。他でもっとカジュアルな真筆見たよ。これは均整の取れて美しい文字。ということは、やっぱり最澄空海に一目置かれていたのでしょう。ちゃんと対応しないといけない気の張る相手、的な・・・。

 

んで、やっぱり密教って呪術っぽいよね。たぶんファンタジー的なものではなくて、本気で術式に則ってやればきちんと結果が出るやつd( ̄  ̄)。たまにマニアなお坊さんが求聞持法を実践したブログとか見る。とても面白い。前に、高野山大学の通信で社会人課程みたいなので密教を教えます、みたいなのをやってみたいな、と思ったことがあった・・・。このへんの。

www.koyasan-u.ac.jp

けど、よくよく説明読んでみて止めた。たぶん何か形式上のことは学べるけど、それ以上のことはたぶん出家僧限定なんだろうな(´・_・`)、みたいな。呪術したいわけじゃないけど、いろいろ考え方とか学びたいだけだけど。

この展覧会でも「術式で可能なところを撮影して再現してみました」みたいなセクションはあったのですが、まあそれ以上のことは展示してないよね。仕方ない(´・_・`)。面白半分ではないけど、興味が勝ってるのは認めます。でももうこういう時代だし、本当に学びたい人には在家でいろいろ学べる方法考えても空海は怒んなそうとは思います。スカイプとかいろいろあるし。

 

東寺の仏像とか神像とかもいろいろあったよ。たくさんある!

f:id:impatiens101:20190330160314j:plain

これは撮影可だったもの。横顔もすてき。

f:id:impatiens101:20190330160354j:plain

こういう神様です。

f:id:impatiens101:20190330160452j:plain

みんな保存状態最高で美しかったです。

ということで、けっこうおすすめです。今なら程よい混み具合。6月2日まで東博平成館でやってます。

 

東博は今の時期、「博物館でお花見を」ってことで庭園開放してます。きれいだったよ。nova3のAIカメラは結構正しい。花とか建造物とかきちんと認識してる。コントラストは強いねぇ。でも調整するのめんどくてそのままにしてる。

f:id:impatiens101:20190330150350j:plain

f:id:impatiens101:20190330150301j:plain

f:id:impatiens101:20190330150015j:plain

 


f:id:impatiens101:20190330170819j:plain

下は上野公園の桜。きれいだよね。上野公園は花見客でごった返してます。行ったの土曜日で結構寒かった。ので、トイレ近くなるんだろうね。公衆トイレにすげー並んでた。

f:id:impatiens101:20190330145014j:plain

 

こっちは今年の桜。世田谷某寺・・・っていうか九品仏です。ここは浄土宗なので密教じゃないです。桜がきれいです。

f:id:impatiens101:20190330125904j:plain

f:id:impatiens101:20190330130423j:plainいいところだし、お寺なんでさすがにみんな騒ぎません。法事の檀家さんとかいるし(黒を着てるのですぐわかる)静かです。ここで桜見るの好きです。

f:id:impatiens101:20190330130709j:plain

 

これは残業の後で見た上野の桜。不忍池のところ。しみるわぁ( ̄▽ ̄)。

f:id:impatiens101:20190325211313j:plain

 

あと少しかな。よいお花見を。んじゃまた!