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基本は美術鑑賞ブログです。「とりあえず正直に」がモットーです。忙しくても気楽にいきましょう。

超絶技巧!明治工芸の粋@三井記念美術館

三井記念美術館にて開催中の「超絶技巧!明治工芸の粋」に行ってきました。

 

ここに来ると、いつも頭に浮かぶ単語があります。
「盤石!」です。
日本橋の地盤も固そうだし、建物も堅牢そうだし、コレクションの内容もしっかりしてるし、天下の三井だから財務内容とかも堅そう。(財務諸表は見てないけど)
例え日本の景気がどうなろうと、ここのコレクションは人手に渡ったり散逸したりしなさそうです。とてもよいことだと思います。こんなご時勢だもんね。

さて、「超絶技巧!明治工芸の粋」です。
村田製作所の・・・何代目だったかな・・・とにかくそこの創業家の方のコレクションです。村田製作所って、京都の会社だったよね。わかります。雰囲気的にそんな感じ。手堅いです。この美術館とよく合う作品たちだと思います。気位高そう。

そして、そのプライドに見合うだけの素晴らしい作品ばかりです。刺繍も七宝も金工も薩摩焼も素晴らしいです。
特に七宝が好きです。
七宝って、昔観光地で見たおみやげ品?があんまりきれいなものではなく、あんまりいいイメージを持ってなかったのですが、ここのコレクションの並河靖之の有線七宝、どれもすごく細かくて、シルエットが整っていて、色使いもモダンでとても美しいです。
あとは無銘の七宝でできた印籠もよかった。かわいい!ほしい!

他にもよかったものがたくさんありました。
以下、特によかったもの。

1.鳳凰花桐文銀装兵庫鎖太刀拵 海野勝珉
明治天皇に献上するために作られた太刀です。もうすごい美しい!!とても細かい細工がしつらえてあって、ずっと見てても見飽きないです。
作成に15年かかったので、結局献上前に明治天皇崩御されてしまったそうです。

2.可美真手命 石川光明
仏像のいいのって、いろんなものがあちこちにあるし、東京の美術館にも入れ替わり立ち替わり来てますが、神像ってあんまり見ません。(私が知らないだけかも)
これは形が均整が取れていて、ドラマチックです。
これぐらい造形のいいのがいろんな神社で見てみたいです。

3.古瓦鳩香炉 正阿弥勝義
これは面白いモチーフです。木の切り株?が香炉になっていて、その取っ手が鳩です。造形は完璧だし、磨きぬかれた銀色の鳩が輝いてます。

いやあ、全部よかったです。
多少趣味にはずれた姿でも、超絶技巧の名の通り、ワザが半端ないのはどんな人にもわかるので、「すごい!」の一言しか出てきません。充実してて、よい展覧会でした。

そうそう、音声ガイドもなかなかよかったです。
NHK山根基世さんのナレーションです。女性のナレーションは、低い声の落ち着いたものが好きです。