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基本は美術鑑賞ブログです。「とりあえず正直に」がモットーです。忙しくても気楽にいきましょう。

嵐の前夜に(ゴッホ展@上野の森美術館)

こんにちは。仙です。

台風やばかったですね(・Д・)ノ。こんな規模の台風はじめての経験です。自宅もちょっと雨漏りしました(-_-;)

 

実は事前情報だけのときは危機感薄くて金曜の夜には「台風だからたぶん空いている。ラッキーかも(・∀・)」とか思ってゴッホ展に行ってました。我ながら能天気すぎました。ちょっと反省・・・。

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夜間開室だよー

世の中には同じような思考回路の人はけっこういました。入場してみるとそこそこ人がいたd( ̄  ̄)。でもまあまあ見やすかった。視界は快適でした。普通の週末ならもっと混雑してたはず。

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入り口はこっちのほう。混雑を考えて動線を作ってるんだと思う

実は最初に間違ってここじゃなくて東京都美術館に行っちゃいました。都美開催と思い込んでた・・・なかなかの勘違い(´・_・`)。まあスマホですぐ調べてこっちに来たけど。それで自分の中で上野の森美術館と都美が同じ箱に分類されていたことに気づきました・・・たぶん私の無意識は

  • 上野にある美術館
  • 若干感じる狭さと動線の微妙さ

の2つを基準に同一カテゴリとして分類したんじゃないかと・・・我ながら意外な発見でしたわ。

 

展示はとてもよかったです。ゴッホごく初期の絵とか素描とか初めて見ました。

 それで思った。ゴッホ、しっかりしててちゃんとしてる(ように見える)。絵の師である従兄弟のマウフェ(ハーグ派)みたいにデッサンがすごく端正で、調和のとれた美しいフォルムと色使いで普通に行い正しい人々とか自然とかを描いている好感度高めの絵って感じで、このまま行けば普通にあの時代の画家として出世できそうな絵

 

それがだんだんあー(・ω・`)、あー(・ω・`)、って感じで

  • まずモデルの表情とか静物のフォルムとか
  • 次に色使いとかタッチとか

の順で平和な端正さが損なわれていくっていうか、「あの時代の人には理解されないだろうなぁ(・ω・`)」っていう感じが出てきて、いわゆる「・・・ゴッホだよなぁ(・∀・)」的な絵になっていきます。これがないと確実に後世での評価がないのですが、本人の幸せがどこにあるかはわかりません・・・。

 

年表と照らし合わせてみると、印象派の影響がどうこう言うよりはお父さんの急死がトリガーになってる気がするけどな。弟のテオもだけど、家族との絆が深いのかな。

 

私が好きなのは晩年の絵です。ゴッホの絵に最初期のハーグ派の影響とか、未来に希望を見てる感じの明るさが戻ってくるというか。「サン=レミの療養院の庭」「そんなに塞ぎこんでいないのがこれでわかるだろう」っていう手紙といっしょにテオのところに送られてきたそうですが、本当に明日は今日よりいい日になる、明るい予兆が感じられるよい絵だと思います。

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この絵も晩年の作。実物はとてもすてきです。

 

というわけで日本になかなか来ないハーグ派(マウフェとかイスラエルスとかマリス兄弟←この人たちは知ってた)とか、セザンヌモネとかの印象派、もちろんゴッホのいろんな作品もまとめて見れるよい展示だと思います。オススメです。来年の1月13日まで上野の森美術館でやってます。

 

今回の台風はいろいろ被害が出てますね。普段の生活が送れるって奇跡のような幸せなんだなと思います。

各地の美術館も心配です。最小限の被害で済みますように。んじゃまた!