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基本は美術鑑賞ブログです。「とりあえず正直に」がモットーです。忙しくても気楽にいきましょう。

写真の起源 英国@東京都写真美術館

こんにちは。仙です。

今回は東京都写真美術館で開催中の「写真の起源 英国」です。

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なんかね、とても貴重な作例を英国から借用してるらしく、入場前に手荷物検査がある。何持ってたら NG なのかはよくわかんないんですが。ライターとか刃物とかかな?とりあえずお財布とスマホはOKでした。 あと展示作品がとても大事にされてるなと感じるのは、会場が薄暗いことといくつか暖簾みたいに布をかぶせてある作品があることです。そのうち見たい作品は暖簾を開いて見る。やっぱり昔の写真って感光して劣化するんだよね。大事に見ましょう。

 

展示の構成としては、英国の写真の歴史を時系列でわかりやすく見せてます。 元々写真術としてはフランスダゲレオタイプの発明で先んじてるんですが、イギリスは実はその前にウェッジウッドさん(陶器のウェッジウッドの息子さん)が硝酸銀を使用した方法で撮影に成功してるんだそうです。


そして、この展覧会の主軸を務めるタルボットさんがカロタイプ (現在のネガとポジを使用する方法で、複製ができる)を発明したんだそうです。なんでもタルボットさんが新婚旅行に行った時に、絵の上手な奥様がルシーダ・カメラ(プリズムとかを使って手動で対象を写し取るカメラ)を利用して旅先の風景をスケッチしたんだそうですが、彼女が風景の美しさを描写しきれなかったことを嘆いたのを見てカメラの発明を思い立ったんだそうです。愛妻家。いい話じゃないですか。物語がある導入部です。

 

検索してたらシーダ・カメラの理屈を使ったおもちゃがあったよ。けっこうお安い。 

新感描スケッチ マジカルイラストレーター

新感描スケッチ マジカルイラストレーター

 

当時のルシーダ・カメラの実機も展示されてたけど、金属だから高級感があって、形状が万力みたいでした。

 

ここまでの書きぶりでなんとなく分かったかもしれませんが、この展覧会、とても良かったです。好みです。 面白かった。昔の日本の風景を撮った フェリーチェ・ベアトの作品とかもあったし、ジュリア・マーガレット・キャメロンの作品も一作品だけだけど出品されてました。一番良かったのは、 ヘンリー・ピーチ・ロビンソンキャロリングかな。スケッチとかもあって、構図を綿密に設定してるのがわかります。

 

思うんだけど、写真は時代を遡るにしたがって、プロとアマチュアの作品が明確にわかります。ピントとか画像の質が明らかに違う。展示の中でイギリスの博覧会で「写真は科学技術か芸術か」みたいな論争があったことが記述されてるんですが、当時は技術的な側面のほうが強かったんでしょうね。 今はね・・・正直誰が撮ってもカメラさえしっかりしてればきちんと取れるから・・・基本芸術ですね。 でもこの万博の時に作成されたフォトストーリーの赤ずきんちゃん」はいかにもイギリスのアートっぽくて可愛い。目の保養でした。
あとポスターにも載ってるカバの写真が可愛かった。アフリカから英国王家に献上されたものだって。

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タルボットさんは優秀な人で、現在のグラビア印刷の元になる写真技法も開発してます。その時のたんぽぽの綿毛を撮った作品もとても美しくて可愛かったです。グラビアは、 水着のお姉さんが載ってる週刊誌のページではなくて、印刷技法の名称なんだそうですよ・・・知らなかった(バカ)・・・。

 

というわけで、けっこうオススメな展覧会です。ぜひ。5月6日まで恵比寿の写真美術館でやってます。いろいろ講演会とかもやってるらしい。4月の英国初期写真研究の第一人者であるラリー・シャーフ教授による講演会(※同時通訳付 )とか見てみたい。

 

ここにはMAISON ICHIが入ってます。これはチョコレートのタルト。

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美味しいよ?美味しいんだけど、中身が大部分無垢なチョコレートなんだよね。もっとクッキー生地とかナッツとか多いと思ってた。濃厚な板チョコの厚くて大きめなのを食べてる感じで罪悪感半端ない。というけっこう意表をついてるタルトでした。体重とかまったく気にしない人ならきっと100%楽しく食べれます。

 

んじゃまた!