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挿絵本の楽しみ〜響き合う文字と絵の世界〜@静嘉堂文庫美術館

こんにちは。仙です。

今回は静嘉堂文庫美術館で開催中の「挿絵本の楽しみ〜響き合う文字と絵の世界〜」に行ってきましたヾ(๑╹◡╹)ノ"。

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今回もブロガー内覧会に参加したのです。静嘉堂文庫美術館も正直遠いので、こうやってきっかけ作って早めに行くように心がけてます(・Д・)。というわけで、今回掲載してる写真は美術館より特別に撮影の許可をいただいてます。

 

静嘉堂文庫美術館二子玉川の駅からバス使って15分くらいかな。丘の上にあります。けっこうな坂を上ってくる。

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あおって撮ってるけど、こういう地形。庭から美術館を望むの図。

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庭園もあります。梅は終わったので今はこういう感じで、花はグラウンド・カバー系統の。

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花木もちょっとだけ。1本の木に3色の花。すごくね?

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背景の窓からニコタマの街。

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窓から見ると二子玉の全景が見渡せて「わっはっは。高級住宅地・二子玉は俺のモノψ(`∇´)ψ」的な気分になります。が、美術館のみなさんはそんな感想持つほど暇じゃなかいだろうなとも思います。

 

今回のテーマは挿絵本かあ。

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この企画展を考えた司書さんは、作家さんが挿絵に影響されて物語の内容を考えることがある、という話にインパクトを受けてこの展示を思いついた、みたいなことをおっしゃってましたd( ̄  ̄)。

多分作者さんのイメージにしっくりする絵が来たりすると、「そう!これだよ!何でわかったの(≧∇≦)?!」みたいなインスピレーションがわくんだろうな。

 

あとは私も前回行ったサントリー美術館の絵巻物の展示とかぶった格好になってるので、「しまった。失敗した( ;∀;)」とも思ったともおっしゃってました。
なるほど。確かに絵巻物と挿絵は何となく同じカテゴリに入れたくなるけど、違う部分も大きい気がします( ̄▽ ̄)。


絵巻っていうのは物語や登場人物の心情を伝えるのが主な役割かな、と思いますが、挿絵っていうのは、それに加えて、

  • 難しくて
  • でも大事な知識を
  • 誰にでもわかりやすく伝えたいという心のあらわれでもある感じで。

 

これは法華経仏教思想についての挿絵。ここらへん字だけだとまあ難しい。

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科挙の参考書とか。ただでさえとんでもなく難しいのに挿絵が無かったらと思うと震えるでしょ。

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辞書とか参考書。言葉で物事を解説する。挿絵があると理解がとても深まる。大部分の人が見たこと無いモノとかもあるから。

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漂流記的なものとか。江戸末期、まだ見ぬ異国を伝えるのには挿絵は必須でしょう。

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本草図譜。本草学も挿絵ないと勉強するのは難しいでしょう。徒弟制とか一子相伝的な世界になったら学問が停滞してしまうよね。挿絵大事。

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挿絵は紙の本だけじゃない。蒔絵に描かれたりしてることもある。

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スタンダードな物語絵もある。

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これは錦絵。若い女の子の歌舞伎役者コスプレ。

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これはパンチっていうロンドンの風刺雑誌だそうです。百科事典みたいな体裁。

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というわけで、挿絵本ていうのは、その本を通じて読者やその周辺の人に最大限の知識や技術を分け与えようとする優しい気持ちがあらわれた本なんじゃないかなと自分は思いました。

 

これは渡辺崋山の芸妓図

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自分の思い人を描いて門人に贈ったそうです。この絵は心の奥深くを見る人に伝えるための挿絵ですかね(*´ω`*)。渡辺崋山の作品は素人目にもとても上手いのがわかります。

 

というわけで、とても興味深い展示でした。GWの時間があるときにでもゆっくり見てみるとおもしろいと思います。5月28日までやってます。

 

じゃ、また。次はDIC川村記念美術館「ヴォルスー路上から宇宙へー」の予定です。