麻のきもの・絹のきもの@文化学園服飾博物館
こんにちは。仙です。
寒い日が続きますね。冷えるわ〜( ̄▽ ̄;)。
さて、今回は文化学園服飾博物館で開催中の「麻のきもの・絹のきもの」を見てきましたヾ(๑╹◡╹)ノ"。
会期がはじまったばっかりの寒い土曜日としてはなかなか人が入ってたように思う。
ここって、ヨーロピアンモードの華やかな展示物も多いけど、なかなかのお勉強より(キャプションに学術的なことが満載してる)の展示もあります(*・ω・)ノ。
今回は後者の色合いがとても強い。麻と絹のきもの地ができるまでの工程がふんだんな映像資料等でよくわかります(・∀・)。以下はお勉強の成果。
- 麻の種類はリネンとラミーがある。日本で作ってるのは主にラミー(苧麻・ちょま)。苧麻はカラムシ(植物)の表皮を乾燥して裂き、細い繊維をつなぎあわせて紡績する。すっごい大変( ̄∇ ̄)。見てるだけでいらつくくらい大変(๑╹ω╹๑ )。
- 絹は蚕蛾のはきだした繊維を紡績してできる。蚕蛾の一生を写した映像があったのでじっくり見た。蚕蛾の成虫は真っ白で「お蚕さま」呼びがふさわしいルックスだった(●´ω`●)・・・。
- 絹も麻も布になるまでものすごく手がかかる。着物の反物が高価なのは当たり前だなと思った。どんなに高くてももうぼったくりとは全然思えない(´・ω・)。
- 絹のほうは日本各地にまんべんなく産地があるけど、麻のほうはポツポツといろんな地域に散在してる。湿度の高いところで作業する必要があるから(乾いたところだと糸繰りするとき切れやすい)。越後上布→雪の多いところだから冬は湿度高い。だから冬にやってる。近江上布→ここは琵琶湖あって湿度高いらしい 宮古上布→わかんないけど亜熱帯だろうから湿度高いんじゃないかな・・・。なるほどねぇ(`・ω・´)。
- たまに一つの繭にサナギ2頭が入ってるのもあるらしい。そういうのを玉繭って呼んで、2本の糸が絡み合ってひきだしにくいからB級品みたいな扱いになっちゃうそうです。何か耽美小説のモチーフになりそうな話だ(〃ω〃)。
- そういうB級みたいな繭は糸を引き出して繰るよりもよって糸にしたり、そのままひろげて真綿として利用するほうが多い。昔は袷の着物にそのまま真綿を入れて暖をとってた。10月に綿入れして4月1日に抜く。それで名字で「四月一日」って書いてわたぬきさんっていう人がいるんだ(๑╹ω╹๑ )!
- 繰糸の方法。諏訪式繰糸機→明治初年に考案されたフランス式とイタリア式の折衷繰糸機。昔から日本人のアレンジ能力はすごい。生糸の艶と手触りを比較すると(実際にさわれるサンプルがあった)、手繰の糸>諏訪式の糸>>(超えられない壁)>>機械式の糸っていう感じかな。でも普通の人がさらっと布になったやつをみる分にはどれも同じに見えると思う。
というわけで、紡績や布に関して知識が増えた展示でした。
でも、この展示のメインはこれではなく、
大正天皇ご着用の御祭服と祝着(産着)。文化学園さん、いつも不思議に思う謎の皇室とのパイプをここでもいかんなく発揮してます(*・ω・)ノ。
何かすごかった・・・。御祭服は大嘗祭の時に着る衣服だそうですが、襟元のプリーツとか、立体的でないはずの和服が精巧な立体になっててびっくり。あと生地が染色も何もしてない糸でできていて、生成色ってこういう色なんだなとはじめてわかった気がする(*'ω'*)・・・。
産着のほうも生成地に十六葉表菊が銀で箔押しされてて圧倒されました。なにぶん産着なので保存状態がいまいちなのは許してあげてください。
あとは三井家の奥様の花嫁衣装とか佐賀藩主ご着用の着物とかもあった。前者はともかく後者は控えめで簡素な着物だったな。
時代を追って江戸から昭和までいろんな着物が展示されてるんだけど、やっぱり昔の人は小柄だね・・・。
あと、化学染料ができて染色が簡単になるとド派手なやつも出てきてほほえましい。やっぱりいろんなのやってみたいよね。糸の染め分けとかが必要だったりすると時間と手間の関係で難しいから。味が濃すぎて飽きてくるのか時代が下ると落ち着いてきます( ´ ▽ ` )ノ。
というわけで自分的にはこの展示たいへんおすすめです。2月20日まで。
ギャラリートークとかもあるみたいなんでそれも愉しいかもです。以前ちらっと見たけど多分学生さんが担当してる感じだった・・・棒読みでも全然好感持てる。無料だし。すてきなデザイナーさんとかパタンナーさんになってね╰(*´︶`*)╯♡と思った。
博物館の前の通りにモリンダのカフェができてた。
とりあえずカレーを食べてみたら漢方薬の匂いがした。
スパイスとかなんとかの話じゃなくほんとの薬の匂いだった・・・食事には思えなかった(´;ω;`)。でも体にはいいのかな。
ではまた。次は水曜だと思う。