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第10回展 煌めく刺繍布 フルカリー針で綴る華やかな世界@岩立フォークテキスタイルミュージアム

こんにちは。仙です。年末ですな。風邪流行ってますな。
さて、今回は岩立フォークテキスタイルミュージアムで開催中の「第10回展 煌めく刺繍布 フルカリー針で綴る華やかな世界」に行ってきましたヾ(๑╹◡╹)ノ"。

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フルカリとは、イギリスから独立するまえのパンジャーブ(インド北西部からパキスタン北東部にまたがる地域)で使われてた女性用ベールのことで、「フル」は花、「カリ」は仕事、両方あわせて花の刺繍を意味するそうですヽ(´▽`)/。

その名の通り、絹織物が高くて買えなかった当時のパンジャーブの女性たちが木綿の布に絹糸で埋め尽くした刺繍が美しいです。とてもよい展示でした(*´∇`*)。

しかも!会期がはじまったばかりなのでいつもどおりスカスカだろうと思ってたキャプションが意外に充実してた。いろんな説明が詳しく書いてあった。やればできるんじゃん( ̄∇ ̄)←なぜか上から目線。

特に西パンジャーブで作られた「バーグ」という庭園をモチーフにしたフルカリは圧巻です。絹の無撚糸によるダーニングステッチでできた幾何学模様が精巧で感心するしかない(・ω・)ノ。やっぱりあちらのほうの人は数学とかの地頭よいんだな。

ちなみにダーニングステッチはこうやるそうです。


ダーニングステッチ

これは絹糸の節約のため?布の裏から布目の織り糸を数えて刺すという日本の津軽の刺し子のようなめんどくさいことしてて、本当に手が掛かってます。
キャプションによれば、フルカリは祖母が孫に作ってあげるものだそうです。なるほど、器用なひとならかわいくてしょうがない孫には作れるかもしれん(´・ω・)。でも男児(将来のお嫁さんにあげるため)女児(本人のため)両方に必要だから、けっこうな数が必要なんだよな。自分だったらいくらかわいい孫でも絶対無理。断りたい。大変すぎる(´・ω・`)・・・。

 

そんだけ手間をかけただけあって、フルカリは一生使うそうです。婚礼の布から始まってだんだんと形を変えていき、最後には家畜の餌袋とかになるという・・・。日本で浴衣が最後にオムツになったのと同じようなものか( ̄∇ ̄)。

そういえば小紋みたいな刺繍がしてあるフルカリもあって、ちょっと日本の布との共通点もある感じです。
そしてそんだけ手間ひまがかかってるフルカリですが、植民地時代には商業ベースにのったものもあったんだって。児島虎次郎の絵にちょっとだけ描かれてた・・・。

そんなすばらしいフルカリですが、今は作る人がほとんどおらず、現地の人も存在自体あまり知らないそうです。なんかわかる。時間と手間があまりにもかかると受け継ぐのも厳しいよな。

 

でも展示されてる品はどれもすばらしくて、使われてる糸も布もとてもよいよ(*・ω・)ノ。

  • まず藍→茜で染めた布墨黒と茄子紺の中間のようなとても美しい黒になります。白糸で刺繍するととても映える(*^▽^*)赤(ピンク)の糸でもいいね。
  • そして西パンジャーブ(インドのほう)で作られたサインチフルカリは具象的な模様で日常の愉しい暮らしを描いてます。これは華やかで見てるととてもたのしくなるヽ(´▽`)/。

というわけで刺繍や布の手仕事に興味あれば大変おすすめです。来年3月18日までやってます。

 

これは階段の踊り場で撮った。(ミュージアムはビルの3階)

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これもすごい刺繍だけど、フルカリはもっと手がかかってる印象。単色で一カ所だけ違う色で刺繍してあったりします。完璧を避けて魔をよけるためだそう(・∀・)。何かかっこいい設定っぽい。

 

階上から自由が丘の街を見下ろす。やっぱ師走は混むね。

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これも階段のところに飾ってあった絵。質感コルクっぽい。

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じゃ、またね。次は週末に〜。