近代日本画、もうひとつの水脈 狩野芳崖と四天王@泉屋博古館分館
こんにちは、仙です。秋ですなぁ。
今回は六本木の泉屋博古館分館で開催中の「近代日本画、もうひとつの水脈 狩野芳崖と四天王」ですヾ(๑╹◡╹)ノ"。
こちらに関しては、ブロガー内覧会に参加させてもらったので写真を撮ってきました。ということでこれらの写真は美術館より特別に撮影の許可をいただいています。
狩野芳崖といえば、やっぱり「悲母観音」ですよね! 私は前にMIHO MUSEUMで見た川島織物セルコン作成のタピスリーが非常に出来が良かったことを思い出します。
その時に下絵は見たはず・・・。そして今回、ポスターにもなっているということで、もちろん悲母観音、出ます。
今出てるのは模写。
実物は後期(10月10日から)なので、 見たい方は要チェックということで。
こっちは寿老人。
今回 、 テーマが「狩野芳崖と四天王」ということで、狩野芳崖の作品は結構たくさん出ています。そして四天王というのは狩野芳崖の晩年の高弟四人のことです。具体的には岡倉秋水(天心の甥なんだって)、岡不崩、高屋肖哲、本多天城のことです。
基本みんな男前。
狩野芳崖は河鍋暁斎なんかと同じく最後の狩野派みたいな位置づけですよね。その薫陶を受けた四天王の作品も非常に壮麗です。個人的には全部初めて見ました( ̄▽ ̄)・・・。
四天王は、狩野芳崖がなくなった後、東京美術学校の最初期の学生となったんですが、弟子としてきちんとした教育を受けていたため、カリキュラムをガンガン進んでいき、もうやることがないので中退を促され、教育者にされた人が多いんだそうです。美術教育黎明期だから講師できる人材が足りなかったんだろうね。
それで後から来た若くてまだ何も分からない 生徒たち(横山大観とか)の方がきちんとした体系的な美術教育を受けることができて、ビッグネームになったと。結構理不尽な構図。 みんな自分の思い描いた理想の画家になりたかっただろうにねぇ。でも未だに日本のいろいろなところで見る構図。最近も野球とか芸能界とかであったような。 まあ岡倉秋水みたいに学習院の教授にまでなれたらいいのかな・・・でもな。
作品を実際に見て、断然好きになったのは高屋肖哲。この人です。 千児観音図の下絵。(実物は関東大震災で行方不明となったのではないかということです。)美しすぎる。素晴らしいです。
真ん中の。
左の。
こっちは月見観音図(左)。こっちもとても美しいです。
左半分。
右半分。
個人的には四人の中でダントツにいいと思っているのですが、 彼は少々コミュニケーション能力に難があり?画壇から孤立していて非常な疎外感を感じていたらしく、業績もちょっと軽視されていたらしいです。
そして各地を放浪して制作に打ち込み、こんな感じで高野山でも絵を描いてたらしい。
やっぱり日本社会で出世するかどうかは基本コミュ力にかかってますよね。 だからイマイチになるって話もある・・・。
でも、作者が亡くなるとどんな人格も薄れていきます。
そしてこの画家も明治が始まって150年経った今、改めて評価されはじめているみたいです。よかったです。回顧展とかあったら絶対行きます。
あとは岡不崩。この人も教育者で永井荷風の絵の先生だったらしいです。
後半生では本草学に傾倒してた らしい。だから草花の絵が多い。こんな感じで。美しいですね。
本草学か・・・いいですよね。 東洋の錬金術的な。これは畫手本。
朝顔の栽培法。草木の本。
これは本多天城。雰囲気あります。
左のは岡倉秋水。化学染料を多分使ってるのかな?独特な明るさがあります。
橋本雅邦もけっこうありました。西行。
菱田春草とか下村観山の作品もあります。初めて知ったのですが、 朦朧体って、道教の影響があるんだってね。気功か風水でもやってた ?と反射的に思ったのは内緒です。
そういうわけで結構おすすめです。 小さな美術館ですが、 他でなかなか見れない企画かなと思うので、是非。10月28日までの会期です。
ここ次は青銅器の展覧会をやるらしいです。 これはガチでおすすめ。国立の博物館よりコレクションが充実してると思う。京都の本館で見ました。
んじゃまたね!