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基本は美術鑑賞ブログです。「とりあえず正直に」がモットーです。忙しくても気楽にいきましょう。

[世界を変えた書物]展@上野の森美術館& ミケランジェロと理想の身体@ 国立西洋美術館

こんにちは。仙です。
災害が相次ぐ激動の一週間でしたね。どんな災害も他人事とは思わずに私ができることを日々一生懸命やっていきたいなと思います。

 

さて、今回は上野に行きました。久しぶりの上野の森美術館。現在は[世界を変えた書物]展を開催中です。

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撮影スポット。

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これは、金沢工業大学が“工学”の観点から、科学的発見、技術的発明の原典初版を収集した稀覯なライブラリー(工学の曙文庫)を広く一般に公開することを目的に企画されたんだそうです 。入場無料です。全面的に撮影可です。

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最初の部屋のレイアウトはこんな感じ。東洋文庫のモリソン書庫に似てますね。写真を見てみると本物の金沢工業大学でのコレクション展示もこういう感じみたいです。

 

いろんな本や資料が展示されてました。

この辺はビッグネームたちの直筆の書類です。

アインシュタイン

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グラハム・ベル

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こういうの見ると、頭がすごくいい人は字が汚いって言うのは眉唾かなと思います。上手下手は置いといて小さくてどっちかって言うと丸くて可愛い字が多い。

 

グーテンベルク活版印刷を実用化したことでいろんな人が重要な知識に触れることができるようになって 急激な科学の発展が起こるようになりました。それ以前は全部自力で書き写さないといけなかったので。知の連鎖です。

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これはアルキメデス

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エジソン。表紙きれい。

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こっちはニュートン

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ゲーテは理系の本も出してたんだそうです。

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工学の本でもけっこう装丁凝ってる。

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これが日本人でただ一人ラインナップに入っていた長岡半太郎の著作です。

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他の豪華な本と比べて

  • 装丁が簡素
  • 挿絵もなくて書いてあるのは文字ばっかり
  • なんか紙の質も良くない感じ

この時代は全体的に日本が貧しかったんだなっていう歴史を感じます。でも中身はすごいんだよね!


みんな科学者としても有名どころばかりですが、錬金術師と占星術師がこの中に占める割合は超高いです。

占星術の本。12星座の挿絵があります。

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レギオモンタヌスとかホロスコープのハウス分割の方法でガッツリ名前をのこしてるもんね。

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稀覯本のレプリカに触れるコーナーもあったよ。もちろん触った。重かった。

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錬金術のほうもあるよね。

デカルト。第五元素エーテルについて。 エーテルってさぁ、考え方自体は世界中にあるし、何かしらはあると思うんだけど、何なのかはわからん。たぶんいつの日か解明されるとは思う。

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そして映像シアターでは監修者の 竺覚暁さんが2013年の名古屋展でミュージアムトークをしてたのを流しています。

この方はたぶん言いたいことがたくさんあるんだと思うんですが、早口でちょっと聞き取りにくいです。でも内容がとても面白い。80分以上あります。

  • ニュートンは面倒くさがりで著書は書くだけ書いて出版しない意向だった
  • ケプラーティコ・ブラーエの弟子だった。ケプラーはとても優秀だったので師匠にかなり嫉妬されたけれども結局はケプラーが 全ての面で後継者になった。
  • ガリレオは何でかわかんないけどファーストネームで呼ばれてる(そういえばそうだ!)

ケプラーの話とかはドラマティックだな、と思ったら案の定本になってた。 ケプラーがティコ・ブラーエを殺した、みたいな・・・たぶんそんなことないと思うけど、フィクションの着想としては面白いよね。

ケプラー疑惑―ティコ・ブラーエの死の謎と盗まれた観測記録

ケプラー疑惑―ティコ・ブラーエの死の謎と盗まれた観測記録

 

 

っていうことでけっこう楽しめます。お勧めかな。会期は24日までですが、休館日はないみたいです。私の行ったのは初日ですがけっこう混んでたよ!事前の情報収集をお勧めします。

 

そしてこちらはスケジュール的にこのままだといけないような気がしたので今回行ってきました。ミケランジェロと理想の身体」国立西洋美術館で開催中です。

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なんかね、これは男性美(理想の身体)をテーマにしてるらしいのですよ。

男性美かぁ。好みは人それぞれとしか言えない・・・。

男性美っていうと大きく

  1. 筋骨隆々方面
  2. 両性具有的な美少年方面

の2つにわかれると思いますが、この展示にももちろん両系統の作品があります。

1.はさまざまなヘラクレス像ですかね?どれもいい身体。

2.は定番のテーマですが、アルベルティネッリの聖セバスティアヌス。滑らかな肌に矢がたくさんささってるのがお好きな方にはたまらないかと

あとは「祝福する幼児キリスト」がどこかでみた釈迦誕生仏像(天上天下唯我独尊ポーズのやつ)に似てるな、と思いました。東西の不思議な一致。

 

こっちも9月24日までの会期になってます。ミケランジェロの作品は2つ出てました。「ダヴィデ・アポロ」の肌の質感が好きかな。題材がピンと来る方はぜひ。

 

9月は祝日あってうれしいですね。んじゃまた!