更紗のきもの@文化学園服飾博物館
こんにちは。仙です。
今回は文化学園服飾博物館で開催中の「更紗のきもの」展ですヾ(๑╹◡╹)ノ"。
私的にはここでやってる企画展はいつもけっこうおすすめなのです。理由は圧倒的なコレクションと専門知識(・∀・)。基本的に自分が知らないことをわかりやすく教えてくれる展示が好きです。今回もとてもよかったです。
まずこのポスターの更紗の着物がすごい。三井家伝来「更紗切継ぎ杜若文様小袖」。22種の古渡り更紗を縫い合わせた着物です。
古渡り更紗といえば、茶道具の展示でみる名物裂帖。あっちは3㎝四方くらいの小さなスワッチを集めた帳面ですが、非常に珍重されてるのを見ると、こうやって着物になるくらいの大きさの更紗をパッチワークして着物を作る、というのは三井家の莫大な富を証明する逸品だと思います・・・(*´ω`*)。
あとは更紗の製造工程の展示がありました。
たしか更紗関係の展示(「西洋更紗 トワル・ドゥ・ジュイ」とか)でも更紗作成のための版木とかは何度か見たことあるけど、今回初めて使い方がわかった。ものすごく複雑な工程だった( ̄▽ ̄)。
浮世絵の刷り師さんと同じくらいの精巧さが要求されると思う・・・。
これを早くから量産できたなんて、インドの人すごいわ( ̄▽ ̄)。
何か染料を媒染剤を駆使して染めてます。同じ茜でも媒染剤によって色が違ってくる。
- 明礬→赤
- 酸化鉄→黒
みたいな感じで。化学反応を自在に操るインド人・・・。
やっぱり世界中で「インドの更紗すげーよな」と思われてたみたいで、いろんな国で模倣品が作られてます。日本も含めて。
フランス、ドイツ、シリア・・・いろいろありますが、ペルシア更紗が個人的には目を引きました。イスラームらしく全体的にブルーがかった色合いが印象的。
日本の更紗もいろいろあります。技術的には精巧な柄で悪くはないのですが、いかんせん全体的に色合いが地味(´・ω・`)。赤が足りない。輸入物が珍重されたのもすごく頷けます。
この色合いは
- 日本には六葉茜が生育しなかった
- 日本の木綿の染色技術が未熟だった
この2つが主な理由みたいです。
更紗は本当に鎖国の中でもけっこう買ってたみたいですよね・・・そのために金も銀もかなり使ってる。あとイギリスの羅紗も赤いのは日本人が欲しがるって言われてたって読んだことあるよ・・・緋毛氈とかに使うからね・・・赤に執着する日本人よ。
ただ、明治終わり~昭和にかけては染料や技術の目覚ましい向上があったみたいですごく美しい色合いの更紗が日本でもできるようになったみたいです。現代作家の方の更紗は無国籍な美しさでした。
《他に気になった展示》
- 武士の装束。陣羽織とか脚絆とか胴着とか。更紗の模様がついてるとすごくかわいい。
- アジュラック。インドの男性が身につける更紗の布。長方形でストールとかターバンとかにする。肩掛けにしてる男性の写真がチョイ悪風でいかしてた。
- 雑誌(美しいキモノ)。S30~40年代には和服界隈で更紗が流行ったらしく、その証拠の品として更紗特集のページが展示されてました。若かりし星由里子さんとか香山美子さんが更紗を着て微笑んでました・・・いや、マジでお美しいです。
あとは円山応挙が木綿布に手書きで描いたという更紗の柄が貼交ぜられた屏風とかもありました。円山応挙は更紗の図案集もあった。なんかすごかった。
というわけで、かなりおすすめです。11月21日まで。そんで、11月1日は無料らしいですよ。
そして11月2~4日は大学の文化祭らしい。
新宿の雑然とした植込み。黄色い花はきれい。アロエがあるところがよい。
んじゃ、また!