アドルフ・ヴェルフリ 二萬五千頁の王国@東京ステーションギャラリー
こんにちは。仙です。暑いですよね( ̄▽ ̄)!
今回は東京ステーションギャラリーで開催中の「アドルフ・ヴェルフリ 二萬五千頁の王国」ですヾ(๑╹◡╹)ノ"。
タイトルロールのアドルフ・ヴェルフリはスイスの人。本国ではなかなかの人気で、どっちかっていえばアウトサイダー・アート寄りのひとかな(・ω・`)。ということで、我が国の草間彌生さんとちょっとかぶるのかな。
六本木の草間彌生展は今大混雑ですごいことになってるようですが、こちらは(自分が行ったときは)それほどでもなかった。ゆっくり見れましたヽ(*´∀`)。
作品的には両者同じくらいすごいと思う。草間さんの水玉みたいな商業的アイコンになるようなモチーフはないですが、ヴェルフリはオリジナルの文字とかオリジナルの想像上の生物とかをいろいろ編み出してて、それが作品を作り上げてます。(TSGはこれをまとめたペーパーを配ってる。こんなの↓)
ヴェルフリの作品では数の単位とかもオリジナル。ツォルン(ドイツ語で怒りの意)が一番大きな数の単位なんだって。なんか深いような(・∀・)。
ヴェルフリは音楽も作る。独特の音階。それを独特の記符法で記録してる。それを演奏してるVTRが映像コンテンツとして展示されてます。すごく興味深いけど、メンタル的に不安定な自覚がある方は流し見を推奨します( ̄▽ ̄;)・・・。
この人は幼時から虐待を受け、里子奉公に出されて教育も受けられずに労働に従事して、孤独と貧困の中成長。やがて数回にわたる犯罪の末、30代から精神科に入院し、そこで創作をはじめたそうです(・ω・)。
初期の作品の画面が本当に脅迫的なほどに埋め尽くされてる様を見るとこの背景になんかうなずけますが、色は比較的落ち着いた彩色で明るさもあると思う(*´∇`*)。
初期はイエロー、オレンジとグリーンの組み合わせが印象的。スタンダードでまっとうな色づかい。だんだん青っぽいモノトーンとかも目立ってくる気がする。
やっぱり病院で支給してくれる画材が色鉛筆だからか比較的明るくて透明感ある色調だと思う。今回のグッズ売場にも色鉛筆(のいいやつ)いろいろあったよ。
そしてずっと作品見てるとやっぱりヴェルフリは天才だったんだろうなと思う。このひとの処女作は自伝的な作品「ゆりかごから墓場まで」で、この作品は少年期からのつらい過去を自分の創作で塗り替えるものです。こういうの言葉にすると一言だけど(「つらい過去を原動力に前に進む」とか)、実際に行動することがいかに難しくて犠牲を伴うか(・ω・`)。そして自分を癒すことにどれだけの労力を費やす必要があるか(・ω・`)。
後期の作品になるとコラージュが多くなってきて、正直密度が薄く感じます。スープ缶のポスターのコラージュとか、・・・ウォーホル?みたいなのも・・・。でも同時にアート界で成功し始めて、経済的にも潤ってきたようなので比較的幸せだったんでしょうね。よかったですヽ(・∀・)。
遺作の「葬送行進曲」は自らのレクイエム。異様さとエネルギーを取り戻した作品ですが、制作途中で病を得て亡くなり未完。死の数日前、もう描けないことを涙ながらに嘆いたそうです( ;∀;)。このエピソードも天才系のひとにはありがちかなと。手塚先生とか。
全体的にカオスな展示ですが、すごい見る価値あると思います。ほかでこのひとの展示してるの見たことないし。おすすめです。6月18日まで、東京駅の東京ステーションギャラリーで。
今回は写真撮るところなかったので2階の出口付近にある東京駅のパーツのレプリカとか撮ってみた。干支のレリーフとか。
んじゃまた!