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基本は美術鑑賞ブログです。「とりあえず正直に」がモットーです。忙しくても気楽にいきましょう。

月映@東京ステーションギャラリー

こんにちは。仙です。

東京ステーションギャラリーで開催中の「月映」展に行ってきました。

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ここに来るといつも思います。パスポート作ってよかった(⌒▽⌒)。時間つぶしとかでも来れるし。条件がよっぽど改悪されないかぎり来年も継続しよう。

 

「月映」とは1914年に二十代前半の美術学生、田中恭吉、藤森静雄、恩地孝四郎らによる木版画や詩をまとめた雑誌だそうです。田中恭吉って萩原朔太郎の「月に吠える」の挿画の人なのな。恩地孝四郎もだけど。どうりで見覚えが。

で、なかなか面白かったですよ(⌒▽⌒)。多分好きな人はものすごく好きなタイプの展覧会だと思います。本の装丁で、クラフト・エヴィング商會というのがありますが、雰囲気としてはそんな感じ、と思ったらCINRA.NETにクラフト・エヴィングの「月映」についてのインタビューが出てました。(興味あったらぐぐってね)

 

ただ、空いてそうな時に行ったほうがいいかもしれません。何故なら作品の判型が小さい&書いてある詩の文字が小さいから。単眼鏡もあったほうがいいのかな。

そのかわり?作品数すごく多いです。一生懸命見ると疲れるくらい。

 

「月映」の現物ももちろん出てますが、これって、「白樺」とかを出してた洛陽堂という出版社から出てたそうなんですが、正直趣味性の強さが前面に出てて、すごく売れるかって言ったら首を傾げたくなるオーラが出てます(´・_・`)。同社が出した竹久夢二の画集とかはとても売れたみたいですが、やっぱり出版社自体も短命に終わってるみたい。

 

でも、作品にはとても力があると思います。若さがある。まぶしいよ。

田中恭吉は若干23歳で亡くなってるそうですが、無念だったろうな・・・。三人の間を行きかった書簡(ハガキ)も出てますが、田中さんが一番前向きな感じがする。

大変な仕事(鍛冶屋さん)をしたときに、病気で寝ている友達(恩地)に対して「こういう仕事は二人で笑いながらしたいな」というメッセージを出す、とか濃やかな情が伝わってきます。泣いちゃうよ(´;ω;`)。

「月映」出版に際してはもう病床にある(結核だった)にもかかわらずいろいろアイデア出しするハガキも送ってるし。

 

個人的には藤森さんの作品がすきです。独特のかわいさがあると思う(⌒▽⌒)。恩地さんもよいけど。みんな、創刊当初より最終号のほうがカラフルで明るい感じになってます。終刊前に田中さんは亡くなってるけど。これからという時に・・・惜しいよな(´・_・`)。

 

そんで、もとが雑誌なだけに図録がとてもいいと思う。生の作品の魅力が損なわれてない感じです。こういうの好きな人はきっと図録もほしくなると思うので、その分のお金(2500円)を持っていきましょう(・ω・)b。お時間があれば是非。11月3日までです。

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じゃ、またね。