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基本は美術鑑賞ブログです。「とりあえず正直に」がモットーです。忙しくても気楽にいきましょう。

ボッティチェリとルネサンス フィレンツェの富と美@Bunkamura ザ・ミュージアム

こんにちは。仙です。
春ですな(⌒▽⌒)。日差しが温かいです。こないだ載せ忘れた都美の前の植え込みの花。サマー&サマー。もうすこしだね。

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さて、渋谷のBunkamura ザ・ミュージアムで開催中のボッティチェリルネサンス フィレンツェの富と美」展に行ってきました。

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これ、英題がけっこう直接的でおもしろいです。”Money and Beauty Botticelli and the Renaissance in Florence".

日本語で「富」って言うと、もうちょっと幅広くて精神的な意味も入るじゃないですか(・ω・)ノ?今回は"Money"にフィーチャー、ということで、ルネッサンスパトロンである銀行家、具体的にはメディチ家にもスポットを当ててます。去年のウフィツィ美術館展もそうだったよね?
でも、銀行家が美術のパトロンになるって、あんまり珍しいことじゃないよね。原題の日本でも、まあ詳しい資本関係はわかりませんが、そうだろうな、っていう美術館はいっぱいあるし。三井とか三菱とか住友とかそうじゃね?ま、お金があるっていいことじゃん。この展覧会も序章は「お金」にちなんで、富の源泉フィオリーナ金貨についてから始まります。金の純度が高くて、フィレンツェの百合の紋章も刻印されたとても美しいお金です(^∇^)。

 

展示を見ると、全体的にメディチ家が権勢を持ってパトロンとしての機能を果たしまくっていた時代の作品はやはり華麗で大変美しいです。
そしてこの展覧会では、比較的近くで美術品を見られる気がします。やっぱり迫力あっていいよ。そして、全部かどうかは確かめてないのでわからないけど、ウフィツィ美術館から借りてる絵は(他の美術館所蔵品もいくつかは)そのまま見られるのがうれしい(^ω^)。額縁にガラスがはまってない。今のガラスは性能いいけどさ、やっぱりないほうがもうひとついい感じで見られます。
やはり聖母子像がとても多い印象ですが、どれもいいです。とても美しくて清楚で、均整がとれている、バラ色の頬の聖母子です。どちらかと言えば若い頃の作品の方が天真爛漫で好きかな。
「受胎告知」のフレスコ画とかも来てるよ。天使が投げかける光が美しい。とても大きいので、後ろにあるソファに座ってゆったり眺めるのが正しい鑑賞方法だと思う。

 

そしてボッティチェリが老境にさしかかるにつれて段々と描く人物の表情に物憂げなものが混じってくるのは見る人を不安にさせます。メディチ家の奢侈を批判したサヴォナローラの影響を受けた、とありますが、そうなのかな?段々顔が間延びしてくるんだよね・・・(´・_・`)。聖母子ならもっと均整が撮れてたほうが。
修道女が描いた?サヴォナローラの肖像も一点あったけど、清廉なのはいいんだけど、もうちょっと器が大きければなぁ・・・( ̄▽ ̄)という印象の横顔でした。焚書でいろんな美術品も焼かれたらしいのはもったいないですね。ただ、最後のほう(晩年に近い)にある「ロレンツォ・デ・ロレンツィの肖像」とかは、壮年の男性を内面を感じられるくらいリアルに、でも優しい色使いはそのままに描いてあって、新しい方向性を感じさせるものでした。こっちの方向もアリだよね、みたいな。

このあと貧窮して失意のうちに亡くなってしまうのはいたましいです(´・_・`)。

 

あと、小さい作品だけど、フラ・アンジェリコも2点ほどあったよ。私が実物を見たのは多分はじめて、のような気がする。これはガラスケースでがっちり保護されてたけど( ̄◇ ̄;)。(当たり前。こっちが普通)細密で端正で、金の発色がとても美しかったです。

 

いつもどおり音声ガイドも借りたけど、今回の城田優さんは悪くなかったです。よい声だ。ミュージカルとかやってる俳優さんなんだよね?内容もとてもスタンダードな解説でした。というわけで、けっこう万人が楽しめる展覧会だと思います。なかなかおすすめです。6月28日まで。

これもルーヴルのとき出し忘れた写真。ニケです。いまミッドタウンにあるよ。

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私は近くに用事があったので初日に行ってしまいましたが、ここは平日比較的遅くまで開いてるし、そっちのほうが見やすいかもしれません。

長くなりました。じゃあ、またね。