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基本は美術鑑賞ブログです。「とりあえず正直に」がモットーです。忙しくても気楽にいきましょう。

ウフィツィ美術館展@東京都美術館

こんにちは。仙です。
東京都美術館で開催中のウフィツィ美術館に行ってきました。

心配していた混雑具合もまだそれほどではなく(もちろんたくさんの人が来場してましたが)、比較的快適に観ることができました(^^)。

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都美、好きだけどカフェのメニューをもっと強化してくれないかな。食べたいものあんまない。

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さて、感想の前に、一つ訂正があります。山種の「輝ける金と銀」のときにうっかり「西洋画にはあんまり金箔とかイメージない」みたいなことを言ってしまいましたが、このウフィツィ美術館展のテンペラ画、金箔押し多用してました・・・。そういえばそうだ。私、嘘を言っておりました。撤回して訂正します。いや、自分のイメージだけで語ってしまってたので。すみません。これらのテンペラによる宗教画は私のストライク・ゾーンからはちょっと外れているので印象薄くて・・・。美しいのはよいのですがいまいち人間味に欠けるというか。

 

この展覧会も、はじめの宗教画のゾーンでは、「何か思ってたのと違う(><)」という感想だったのですが、後半にかけてボッティチェリが出てくるとさすがの貫禄で見入ってしまいました。

どれも画面から豊穣な感覚があふれ出てきます。ボッティチェリ好きな人にはこの展覧会、大変おすすめです。

 

この展覧会の作品で私が好きなものを3つあげると、
1.ボッティチェリ「聖母子と天使」
これ一番すき!!ダントツですきです。
師匠のフィリッポ・リッピの模写に近い作品だとも言われてますが(たしかに構図とかはそのままですよね)、こちらに描かれている人物像の方がほんの一滴だけ色気があるように思います。
聖母子をささえながらこちらを振り返る天使の表情がいたずらっぽくて可愛い。

日本人が「天使にはこうあってほしい」と思う姿かたちをしています。森永のエンゼルマークの原型にも通じるような。手塚治虫のマンガに出てきそうな。
全体的にも、清楚で可憐で透明感ある絵なので、日本人の心を鷲掴みにすると思います。これを所蔵してる捨て子養育院美術館というところがとてもすてきなところらしいので行ってみたいよ。

 

2.ボッティチェリ「パラスとケンタウロス
この展覧会でもイチオシされているこの作品。たしかにとても美しいです。

パラスって、性的なことを一切拒絶してる女神、衣装は鋼鉄の鎧。みたいなイメージがあるのですが(たとえば占星術でパラスという小惑星を使うときは、性的な意味はまったく含まないのです)この絵に描かれているパラスはなかなかに艶めかしい!!って、衣装が軽やかすぎて・・・。シースルーだし。巻き付いているオリーブの枝も何かフォルムが意味ありげなんだよな。彼女がケンタウロスを従えているさまは理性が欲望に勝利した様子を描いている、とキャプションにはありますが、本当にそうなのかな?と勘ぐってしまいます。
そう、それくらい訴えかけてくるものがある絵なのです。単純にパラスがとても美しくて優美ですし、ケンタウロスの造形もとてもバランスがいい。わざわざ見に行く価値ありだと思います。

 

3.フィリッピーノ・リッピ「老人の肖像」 
この展覧会では、もちろん数多くの絵が展示されていますが、やはりボッティチェリと、彼の師となるフィリッポ・リッピがひとつ抜きんでている印象です。
この絵は、フィリッポ・リッピの息子、フィリッピーノ・リッピが父親を描いた肖像画です。フィリッピーノの絵は、これ一枚だけ。
この展示では、神話や聖書に題材をとったもの、あるいはパトロンメディチ家を賛美するために描かれた不必要なまでに美しい(正直・・・)肖像画が多い中で、この絵に溢れている老人の豊かな内面、静かな愛情はとても胸に迫ります。
小さい絵ですが、とてもよい絵だと思います。

 

最後の部屋ではウフィツィ美術館を映した映像を上映してました。とても美しくていいところみたいなので行きたいな。ウフィツィって、オフィスっていう意味だそうです。メディチ家のオフィス。すごいよね。グレート・バンカー。

結論:一見の価値あり、ということで、混雑しないうちに観ることをおすすめします。

 

次は国宝展とかいろいろ見たい!!
庭園美術館が開いたら行きたい!!秋は忙しいよo(><;)(;><)o
またね!!