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基本は美術鑑賞ブログです。「とりあえず正直に」がモットーです。忙しくても気楽にいきましょう。

チューリヒ美術館展ー印象派からシュルレアリスムまで@国立新美術館

仙です。ちょっとご無沙汰です。
先週は所用で美術館へは行けなかったのです・・・。
限られた時間で自分の行きたいところに全部行けるようにちゃんとスケジューリングしなくては!!とくに秋はいい展覧会いっぱいあるからな。
ということで、諸条件を検討の結果、今回はチューリヒ美術館展」です。

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国立新美術館

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建物の質感としては、美術館というよりはビッグサイトとかの仲間に入れたくなる感じがする。

新美術館はこの展覧会を頑張ってきちんとプッシュしてるみたいです。

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ベンチの後ろにプチ看板。かわいいよね。

今回は平日の午後。同時開催のオルセーは激混み。正直引いたv。チューリヒのほうは開幕直後のせいか、まあまあ快適に見られました。


音声ガイドは江原正志さんという声優の方です。さすがプロ。いろんな作家になりきって台詞をいってます。聞きやすいです。

スペシャルガイドは黒柳徹子さん。特に作品解説をしてるわけではなく、スペシャルトラックで”徹子の部屋”にモネを呼んでしゃべってる、って感じの趣向です。まあ、もちろん台本どおりのお仕着せだろうけど、雰囲気的にはけっこう楽しいです。

展示内容も、私は楽しめました。行って損なし。
ただ、モネとか印象派関連のきれいな絵も多いけど、鬱屈した感じの絵のほうがインパクト強めなのが気になるかも。思ってたのと違う!!と思う人もいるかもな。

ほら、スイスのチューリヒ、っていうと、もうちょっと爽やかなの期待する人もいるかもな、と思って。


以下個別の感想です。
セガンティーニ
まじまじと見るのははじめてでした。
・・・でたな、女嫌い。女性に対する歪んだ感情を感じます(後で調べたらまったく違う女性像の作品もあるみたいですが)。自分の中ではヴァロットンと同じ箱に入れました(後の部屋にヴァロットンの作品もある)。
でも、作品自体はよいと思います。「虚栄」は自分の美しさに心をとらわれている女性を描いた作品ですが、全体の沈んだ不穏な色使いの画面の片隅に描かれている赤い花が印象的で、理性と希望の光を感じます。

印象派
モネの大きい睡蓮の池ゴッホタチアオイが好き。
ゴッホの植物画って端正な美しさがあって好きなのが多い。睡蓮もいまなら椅子に座ってゆっくり見れます。

ホドラー
モダンで美しいな。山とかは水墨画みたいに描かれてるのもあるよ。ホドラー展見たくなった!(※実際にチケット買って帰った)

ムンク
ムンクって、アルコール依存だったみたいですね。それであの足下から崩れ落ちるような感じは納得なんだけど、肖像画では、非常に端正で理性的で美しい作品を残してることがわかりました。肖像画2枚、男女1作品ずつ、一見の価値あると思います。

ココシュカシャガールもいい絵があったよ。

シュルレアリスムもいい作品がたくさんありました。
マグリットの「9月16日」とイブ・タンギーの「明日」の並びは静謐な美しさに満ちてました。

そして、私がこの展示の白眉だと思うのがジャコメッティ矢内原伊作の肖像」。モノトーンの画面で複雑な線が絡まり合った中に、矢内原氏の人間性と外見がないまぜとなって映し出されてると思います。ジャコメッティのゾーンが一番あとの部屋なんで、自分的には盛り上がって終わった、いい感じの展示でした(^^)

あれ、思い返してみるとやっぱりすごく楽しめたな。評価をワンランクUPしよう。
よかったです!おすすめです。