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基本は美術鑑賞ブログです。「とりあえず正直に」がモットーです。忙しくても気楽にいきましょう。

徒然草 美術で楽しむ古典文学@サントリー美術館

サントリー美術館で開催中の「徒然草 美術で楽しむ古典文学」展に行ってきました。

サントリー美術館って、きれいなところですよね。
ミッドタウンって、どんだけお洒落なところにあるんだ、っていう感じですし。(田舎ものの発想)
何だかたまに、これって素敵だけど大ヒットはしなさそう・・・みたいな貴族っぽい企画をしているイメージがあって、これも(失礼ながら)そうかな、と思い、ゆっくり見よう~と思って行ったのですが、甘かった。人いっぱい。混んでました。
世の中には徒然草ファンがたくさんいるんですね。

前半は、いろいろな人の写本。国宝もあってすごいです。去年だかに見た東博の「和様の書」とメンバーがかぶってます。尾形乾山による兼好法師の肖像の掛け軸とかもあったよ!


後半はサントリー美術館所蔵の海北友雪徒然草絵巻が中心となった構成です。海北友雪って、建仁寺のときの雲龍図が迫力だった海北友松の息子だったんですね。お父さんにくらべて、ダイナミックさには欠けるが、スタイリッシュでエレガントな印象です。整ってて美しいです。

あらためて、絵とともに訳つきの原文を読んでいると、何だこれ??と思うこともありますが、9割方は頷けます。(ちなみにご年輩の方は声に出して朗読している率がそこそこ高いです。ま、気持ちはわかりますので、いいかな、と思いますが、いらっしゃる予定の方は心の準備を)
特に175段。お酒の害を語ってます。

他人にその手で無理にお酒をすすめた人は500回生まれ変わっても手のない生き物(ミミズとかですかね)になってしまう、という仏の教えを書いてる場面が印象的です。

この絵巻物が酒造メーカーが母体となったサントリー美術館にあるってことが、言いしれぬ因縁を感じます・・・。
正直、この段の複製を原文・訳つきで系列店のトイレとかに飾ってほしい・・・。無理強いは本当にいかんよ。そうしてくれたら、もうお酒もソフトドリンクもサントリーしか飲まないんだけど。お酒好きなひとは嫌がりそうだし、無理だよね。ごめん。
後は、動物虐待をたびたび戒めてるのも印象的です。いいぞ!兼好法師!!
ということで、絵巻物としても緻密でバランスよく、人物の表情も動きも楽しめると思います。好きです。

あとは、一の谷合戦図屏風もよかったな。平家物語の有名な段、熊谷次郎直実と平・・・敦盛だっけ?の対比が非常に色鮮やかに描かれてます。

全体的にこの展示は、モチベーション高く、予習しちゃうくらいのほうが楽しめるかな。ぼんやり見てても楽しめるけど。

私は近くに行くから、という半端な気持ちだったのでパフォーマンスを自ら落としてしまいました。モッタイナイ。でもおもしろかったよ。

実は、この後、国立新美術館のバレエ・リュス展にも行きました。

それはまた次回に。