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日本絵画の魅惑(後期)@出光美術館

「日本絵画の魅惑」の後期展示に行ってきました。
前期に行ったときの割引券で500円でした。・・・安いね!

代金を払うときに金額を見て驚きました。(一般は正規料金が1000円)
申し訳程度に100円か200円くらい引いてくれるだけかと思ってたよ。

さて、内容はといえば、絵画作品はほとんどが前期と展示替えしてます。大体の章立ては、前期と変わってませんが、作品が違えばだいぶ雰囲気も変わってきます。

そして、私は今回は第5章の”近世初期風俗画”が一番好きです。
その特性は、一言で言えば、「耽美」です。
日本の独特の美意識に、少し艶めかしいというか、ぎらぎらしたものが乗っている気がします。
「桜下弾弦図屏風」とか、人物が艶々してます。
保存状態もそれに応える感じで、背景の金色がまぶしいです。褪色してません。
弥生美術館とかに展示してある、幻想的で耽美な絵、あの辺の源流になってる気がします。
マンガとかでもありますよね。耽美なやつ。具体的には思いつかないけど。
あれをゴージャスに、かつ、もっと健全にした感じです。(そんなに崩れてはないのです)
「誰が袖図屏風」とかもいいです。
衣装がかけてあるの「だけ」を描いた屏風ですが、すごく美しいです。
でも、どんな部屋に置いたらいいのかまったく考えつかないよ。あれを大事にしてきたって、昔の日本人の美意識ってすごいな。

他にもたくさんいいのがあります。
「四季花木図屏風」とか。緑が濃いです。赤い花とか、油絵のような強さです。
桃山時代とか室町時代って、何か魅力的です。

江戸の浮世絵くらいになると、何か時代がひとつ進んだ感じがします。欲望とかいろいろあるけど、下品に転びそうな感じがするから、一枚オブラートをかけて置こう、みたいな感じがします。理性が強くなってる気が。

でもいい絵がたくさんあります。
葛飾北斎美人画とか、普通の絵と等身がちょっと違う気がする。面白い。
それから懐月堂安度の落款がかっこいい。サインもらいたいです(><)。

文人画もいいっす。
浦上玉堂とか、やっぱりすごい。
田能村竹田も、すごい人なんだな。改めて思いました。
私の好きな渡辺崋山も一作品ありました。
鳥が鮎を捉える一瞬をもう一羽の鳥が冷徹に観察しています。
相変わらずシビアな絵です。でもそこがいいです。

陶器などの工芸品は前後期ほとんど入れ替えなしです。
どれもいいです。かわいいし。
「日本絵画の魅惑」なのに、工芸品があるのはいかがなものか、という方もいらっしゃるかもしれませんが、私はこれは
「僕が日本中からいいもの集めたから見せてあげるよ。陶磁器もいいでしょ?遠慮しないで見てね☆」
という出光さんのホスピタリティかなと思うので(本当にいいものばかりだと思うし)、すごいよね、と素直に思ってます。

コンパクトに見ることができてよい展覧会だと思います。
おすすめです。割引券は持って行ってね!

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↑これだよ!忘れないでね。