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日本絵画の魅惑@出光美術館

出光美術館で開催中の「日本絵画の魅惑」展を見てきました。

5月6日までの前期と5月9日からの後期では、内容がかなり違うらしいです。受付のお姉さんが言ってました。後期も来てね、と割引券をくれました。行き届いてます。

内容は、端的に言えば、館蔵品展です。
しょっちゅう出光にいらっしゃる方は、おなじみの作品ばかりでちょっとがっかりかもしれませんが、私はとても好きです。
できる範囲で最大に(たぶん・・・)くわしいキャプションをつけてくれています。イメージは、このごろ公立美術館とかによくある「こども用ガイド」。あれを子供だけでなくみんなが見られるような感じの展示にしてある印象です。細かい見所とか、豆知識とかがわかるので、展示をより楽しめるようになると思います。
私は音声ガイドを借りるのも好きですが、こういうのもいいよね。

さて、作品はといえば、やっぱり館蔵品展だけあって、コレクションに統一性があります。「一人のひとが自分の趣味で集めた」感があります。もしかして佐三さんの死後、学芸員さんが買い入れたものも多いのかもしれませんが、やっぱり統一されたカラーを感じるので、影響力の大きさが伺えます。

特に好きなもの3つ。
1.能阿弥「四季花木図屏風」
花鳥図なのですが、ふわっとしててオーラが独特です。「私はうまいでしょう」っていう押し出し感がないのがすきです。表具っていうのかな。あの枠とか金具とかもよいです。編み目のある、見ようによってはベルギーワッフルみたいなvしゃれた金具がついてるのもすき。

2.葛飾北斎「鐘馗騎獅図」
五月人形でおなじみ鐘馗様が獅子に騎乗しています。筋肉の付き方が生々しくてエグいです。神様っぽくないです。この世の影が濃い感じ。でも圧倒的。御利益もありそう。

3.渡辺崋山「猫図
この猫もデフォルメがなくてちょっと生々しいです。目つきもするどくて、愛情たっぷりにかわいくは描いてないですが、そこが逆にかわいい。
渡辺崋山の絵って、やっぱりピントが合ってる気がします。

出光は、どんな企画展でも併せて陶磁器の展示をしている印象ですが、今回もそうです。
柿右衛門とか、すてきなのが多かったです。
特におちょこのセットで、ミニチュアのコーヒーカップのセットにしか見えないのがあって、それはレプリカが欲しい勢いでかわいかったです。

見終えるとロビーのソファで給茶機のお茶を飲みながら皇居の緑を眺めます。この眺めは好きです。「男の夢」感があります。出光美術館は、この鷹揚な感じが男らしくて好きです。事業で成功した本人が美術館を建てると、こんな感じになるな、と思います。二代目のお坊ちゃまだと、もうちょっと線が細くて洒落た感じの美術館になる印象です。この路線が好きなので、もっと開拓したいのですが、なかなか出会えません。

後期も見に来ようと思います。GWもあるし、「ぐるっとパス買おうかな。