インポッシブル・アーキテクチャー もうひとつの建築史@埼玉県立近代美術館&台湾平埔族のものがたり―歴史の流れと生活文化の記憶―@東京天理ギャラリー
こんにちは。仙です。
今回はまず埼玉県立近代美術館で開催してた(今日で会期終了)「インポッシブル・アーキテクチャー もうひとつの建築史」です。
まず印象的だったのがかなり混んでたこと。この美術館はこんなに混雑してるのは初めて見ました。
そんでとても面白かった。おすすめしたいのですが、もう会期終了なのが残念です。 でも、広島とか新潟とか全国を巡回するみたいなので、機会があったら見ることをお勧めします。楽しいです。
まあね、「インポッシブル・アーキテクチャー」ってことで実際に建築するには至らなかったいわゆる「アンビルド」の建築作品の展示なのですが、最後のセクションは記憶に新しい新国立競技場のザハ・ハディドさんの作品。テレビでアンビルドの女王って言われてるって聞いた気がするけど、他の国で建築に至った建物の写真を見ると曲線が印象的で面白いです。
それでもう建築許可とか申請がいろいろ全部通ったところで潰されたみたい。キャプション読んでると無念さであふれててちょっと怖いよ。怨嗟の声が聞こえてくるよ。
いろいろあるけどやっぱりこういう大規模な案件は、予算関係の条件はコンペの時に提示して決定するべきだし、決定後に擦り合わせるべき事項が出てきたら話し合いで解決するべきだよね。こういう「言わなくてもわかるだろ?空気読めよ( ̄▽ ̄)」みたいな潰され方は見てて正直引くわ。このときの心労がザハさんが早く亡くなられた遠因になってるかもと思うとなんか・・・うわぁぁぁぁぁぁぁ。
その他の展示はまあ好き嫌いはありますが見てて楽しかったです。 ブルーノ・タウトの生駒山の小都市計画とかはジブリの世界をもう一段ハイグレードにした感じでとても好きです。あとは磯崎新の新都庁設計の案はいつみても「コンペ案の中でこれが一番いいのにどうしてダメだったんだろう?(´・ω・`)」と思います。思ってたのと違ってもこっちのほうが良かったと思うけどな。あとは川喜田煉七郎っていう人がめちゃくちゃ才気煥発っぽかった。全体的におもしろかった。
いい建物ですよね。この美術館は、北浦和公園の中にあります。
お子様がいっぱい遊んでるんですが、埼玉の小学生男子・女子には スケボーとローラーブレードが流行してるみたい。みんなやってた。
なんだかんだ言っていいところだと思います。ここの設立は埼玉屈指の善政かも。東京は写真美術館がそうだと思う。
ついでだから浦和で「翔んで埼玉」を見て帰ろうと思ったら、前日の時点でチケット完売でした・・・。もう公開から1ヶ月以上経つのに・・・。見たかったけど結局アマプラ待ちにななりそうです。
後は神田の東京天理ギャラリーで見た「台湾平埔族のものがたり―歴史の流れと生活文化の記憶―」も。
ちょっと(だいぶ)前の映画なんですが、「セデック・バレ」って知ってます?私は見て面白かった覚えがあるんですが、あの世界です。
台湾の原住民族について、文化的・民族的な資料がすごく体系的に収集・展示されてます。面白いです。いい仕事してます。よく集めたなぁみたいな・・・。正直本国台湾にも同レベルの収集があるのか疑問です。うーん、残ってるかなぁ?だからみんな見に来たほうが。特に台湾の人(旅行者とか留学生とか)はぜひこの機会に見に来たほうがいいかも。でも今回も観客は私一人だったです・・・もったいない。芳名帳には名前がたくさんあったのでたまたまかもですが。
民族衣装は網網の下着が気になる。涼しいのかな・・・
これはかっこいい。日本の影響は根深いですが。
戸籍。
潘家っていうのは当時の台湾の名家。没落したのは兄弟の骨肉の争いのせいだそうです。やっぱりいかんなぁ。
西太后のよう。
新港文書。これはね、文字文化を持たなかった部族が宣教師にローマ字を教わり、それで契約書を作成して簡単に漢人に土地を売り渡した(その経緯までは書いてなかった)、それが原住民の凋落・その後の苦難の大きな要因となった、という非常に教訓的な展示です・・・
今もあるよねそんな話・・・日本にも。恐ろしい。
ということで、個人的にお勧めです。機会あれば是非。4月6日までやってます 。
んじゃまた!
三井家のおひなさま 特別展示 人間国宝・平田郷陽の市松人形@三井記念美術館&神に捧げた刀―神と刀の二千年―@國學院大學博物館
こんにちは。仙です。
早速ですが今回はまず、三井記念美術館で開催中の「三井家のおひなさま 特別展示 人間国宝・平田郷陽の市松人形」です。
例によって今週の活動の動線上にここが入ってたので行ってみた感じなんですが、これ、思いのほかよかったです(・ω・)ノ。日本人形のかわいさをはじめて本当の意味で理解したわ(・∀・)。展示されているお人形の主に平田郷陽作品で。
だってさー、正直日本人形苦手だったのですよ。主に子供のころにオカルト本とか映像を見すぎたせいだと思うんですが・・・。それに初代の平田郷陽は生き人形の名手だったんですよね。その名前を聞くと稲川淳二さんが過ってしまって( ̄▽ ̄;)・・・。
でも、この平田郷陽の市松人形は超かわいい。ポスターに載ってるのはつぼみちゃんという子ですが、この子も実際見るとポスターよりずっとかわいい。でも私が一番かわいいと思ったのはアンサンブルで衣装くらべしていた市松さんです。何か洋風な幼気さがある。
そして丸平大木人形店の名前を覚えた。「丸平好み」っていうことでいろんな趣向でお人形さんが展示されてるのですが、それがすごくかわいくて洗練されてます。ドール遊びってこういうことか( ̄▽ ̄)!みたいな。
「お茶会」っていうのが一番印象に残ったんですが、ローランサンの絵をかけて不思議の国のアリスの敷物を敷いたお部屋で子供たち(市松さん)がお茶会をしてる、っていうシチュエーションで、後ろの棚にはフランス人形が飾ってあります。かわいい。アリスの世界。製作年代は昭和初期・・・。
丸平大木人形店って京都に現存してるお人形のお店なんだそうです。すごい。
他のおひなさまは前にも見たからなぁ。初見なら感動すると思う。そんで使用人の皆さんが大変そうだなと思う。自分だったら銀細工のお道具類とか絶対失くす。小さいもん。そんですごく怒られる。
でも、当時もこの規模の大店になると女中さんたちもそこそこの家柄の賢い少女が行儀見習い的な意味合いで来てたろうからきっとそんなヘマしないよね。だから大丈夫。
ということで、お人形好きな人も苦手な人もけっこうおすすめ。4月7日まで三井記念美術館でやってます。
そして開催終了だけどこっちにも行った。國學院大學博物館の特別展「神に捧げた刀―神と刀の二千年―」。
こんなに混雑してるここの博物館は初めて見ました。ゲームクラスタの方々(たぶん)がたくさん。遠征組っぽい人もいました。小規模だけどいい展示だったと思うわ。
個人的には石上神宮の神宝の刀剣のレプリカがよかった。美しかった!
このたくさんのお客さんのひとりでもふたりでも日本刀関係の職人にならないものか。諸条件でなかなか難しいとは思いますが。でも裾野が広がれば名刀出てくる確率上がるよね。日本人には頑張ってほしい。
数年前に日本刀品評会見に行ったけど、その時点で1~3席入賞者はすでに日本人じゃない人がけっこういらっしゃいました。まあ外国の方が情熱持ってやっていただくのはありがたいことでもあります。
図録も大人気で売り切れてました。
んじゃまた!
写真の起源 英国@東京都写真美術館
こんにちは。仙です。
今回は東京都写真美術館で開催中の「写真の起源 英国」です。
なんかね、とても貴重な作例を英国から借用してるらしく、入場前に手荷物検査がある。何持ってたら NG なのかはよくわかんないんですが。ライターとか刃物とかかな?とりあえずお財布とスマホはOKでした。 あと展示作品がとても大事にされてるなと感じるのは、会場が薄暗いことといくつか暖簾みたいに布をかぶせてある作品があることです。そのうち見たい作品は暖簾を開いて見る。やっぱり昔の写真って感光して劣化するんだよね。大事に見ましょう。
展示の構成としては、英国の写真の歴史を時系列でわかりやすく見せてます。 元々写真術としてはフランスがダゲレオタイプの発明で先んじてるんですが、イギリスは実はその前にウェッジウッドさん(陶器のウェッジウッドの息子さん)が硝酸銀を使用した方法で撮影に成功してるんだそうです。
そして、この展覧会の主軸を務めるタルボットさんがカロタイプ (現在のネガとポジを使用する方法で、複製ができる)を発明したんだそうです。なんでもタルボットさんが新婚旅行に行った時に、絵の上手な奥様がルシーダ・カメラ(プリズムとかを使って手動で対象を写し取るカメラ)を利用して旅先の風景をスケッチしたんだそうですが、彼女が風景の美しさを描写しきれなかったことを嘆いたのを見てカメラの発明を思い立ったんだそうです。愛妻家。いい話じゃないですか。物語がある導入部です。
検索してたらルシーダ・カメラの理屈を使ったおもちゃがあったよ。けっこうお安い。
当時のルシーダ・カメラの実機も展示されてたけど、金属だから高級感があって、形状が万力みたいでした。
ここまでの書きぶりでなんとなく分かったかもしれませんが、この展覧会、とても良かったです。好みです。 面白かった。昔の日本の風景を撮った フェリーチェ・ベアトの作品とかもあったし、ジュリア・マーガレット・キャメロンの作品も一作品だけだけど出品されてました。一番良かったのは、 ヘンリー・ピーチ・ロビンソンの「キャロリング」かな。スケッチとかもあって、構図を綿密に設定してるのがわかります。
思うんだけど、写真は時代を遡るにしたがって、プロとアマチュアの作品が明確にわかります。ピントとか画像の質が明らかに違う。展示の中でイギリスの博覧会で「写真は科学技術か芸術か」みたいな論争があったことが記述されてるんですが、当時は技術的な側面のほうが強かったんでしょうね。 今はね・・・正直誰が撮ってもカメラさえしっかりしてればきちんと取れるから・・・基本芸術ですね。 でもこの万博の時に作成されたフォトストーリーの「赤ずきんちゃん」はいかにもイギリスのアートっぽくて可愛い。目の保養でした。
あとポスターにも載ってるカバの写真が可愛かった。アフリカから英国王家に献上されたものだって。
タルボットさんは優秀な人で、現在のグラビア印刷の元になる写真技法も開発してます。その時のたんぽぽの綿毛を撮った作品もとても美しくて可愛かったです。グラビアは、 水着のお姉さんが載ってる週刊誌のページではなくて、印刷技法の名称なんだそうですよ・・・知らなかった(バカ)・・・。
というわけで、けっこうオススメな展覧会です。ぜひ。5月6日まで恵比寿の写真美術館でやってます。いろいろ講演会とかもやってるらしい。4月の英国初期写真研究の第一人者であるラリー・シャーフ教授による講演会(※同時通訳付 )とか見てみたい。
ここにはMAISON ICHIが入ってます。これはチョコレートのタルト。
美味しいよ?美味しいんだけど、中身が大部分無垢なチョコレートなんだよね。もっとクッキー生地とかナッツとか多いと思ってた。濃厚な板チョコの厚くて大きめなのを食べてる感じで罪悪感半端ない。というけっこう意表をついてるタルトでした。体重とかまったく気にしない人ならきっと100%楽しく食べれます。
んじゃまた!