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基本は美術鑑賞ブログです。「とりあえず正直に」がモットーです。忙しくても気楽にいきましょう。

特別展 驚異の超絶技巧!明治工芸から現代アートへ@三井記念美術館

こんにちは。仙です。

今回は三井記念美術館で開催中の「特別展 驚異の超絶技巧!明治工芸から現代アートへ」に行ってきましたヾ(๑╹◡╹)ノ"。

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今年も3館めぐりみたいなのやるそうですが、個人的には根津と五島はなるべく遅く行きたい(・ε・)ムー。だってそうじゃないと庭の樹木が紅葉しないから。

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内容はですね、文字通り明治の超絶技巧の工芸作品と超絶技巧+αの現代作家さんの作品を対比させた形の展示です。

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最初のところの2作品は撮影可能でした。こっちは宮川香山

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こっちは髙橋賢悟さんのorigin as a human。アルミを鋳造してるんだって。

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明治時代の工芸品のほうには他にも七宝の並河靖之とかたくさんありました。どれもとても美しくてよかったです。自分が一番好きなのは海野勝眠による冴えた輝きの銀細工の花瓶

あとは柴田是真古墨型印籠。トリックアート。見てて楽しい。

 

そしてやっぱり超絶技巧系の展示にありがちだけど、ガラスケースに頭をぶつけてるひとが多い。ひとりのおじさんがすごい音でぶつけてた。ごっちーーーーん!みたいな。痛そう。一生懸命見てたらうっかり、みたいな感じでした。頭ぶつけるのってあまりよくない(ほら、脳みそってデリケートなので・・・)ので皆さんも気をつけてください(・ω・)ノ。

 

現代アートのほうはですね、うん、技術的にはとても精巧だなと思いました。でも、もしかしたら明治の超絶技巧の工芸品とは並べないほうがいいんじゃないかな(´・_・`)・・・と思いました。

 

何だろうなぁ、現代アートのほうは技巧が作者の作家性を表現する手段になってる気がして。

並河さんとかも多分国内外から評価されるのはきっとうれしくて、賞状とか屏風にしてずっと持ってたのを庭園美術館で見たけど、なんかそれとは方向性が違う気がする・・・。うーん、何か、昔の名工とか職人さんは犠牲にしてるものが現代人とはまったく違うので(完璧徒弟制でしょ?子どものうちから働かないといかん(´・_・`))、ちょっとそっち方面に行くのは違うんじゃないかな?と・・・

 

何かネガティブな感想でごめんよう( ̄▽ ̄;)。ちなみに現代アートの作家さんの中では自在置物のひとがいいと思いました。

 

というわけで、三井記念美術館で12月3日までやってます。ぐるっとパス使えるし、お時間あるようでしたらぜひどうぞ。

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明治の名工はけっこう商売上手な人がいるのでむしろそういう方面のフォロワーが出てきてほしいな。並河靖之とかも全盛期はかなり手広く商売してて大儲けしたらしいし。今のゼネコンも創業者は職人さんっていうこともけっこうある(大工さんは職人の王様)。

 

次回の展覧会は国宝 雪松図。円山応挙。行きたいです。

またね!

フェリーチェ・ベアトの写真 人物・風景と日本の洋画@DIC川村記念美術館

こんにちは。仙です。

今回はDIC川村記念美術館で開催中の「フェリーチェ・ベアトの写真 人物・風景と日本の洋画」ですヾ(๑╹◡╹)ノ"。

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佐倉は遠い( ̄▽ ̄;)。でもこの美術館はいいところです。

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お茶もおいしいです。

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ご飯もおいしいです。

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写真はないですが、常設もいろんなピカソとかシャガールとかいろいろあるよね(・ω・)ノ。レンブラントもいいし、ロスコのシ-グラム壁画の部屋にはずっといても飽きません。

個人的には平日に行って耳鳴りするくらい静かな中でずーっと見ていたいです。

 

今回の展覧会、「フェリーチェ・ベアトの写真 人物・風景と日本の洋画」は、写真家フェリーチェ・ベアトが約150年前の日本を写した写真の展覧会です。人物も風俗も興味深いですよヽ(・∀・)。

上野彦馬(幕末の写真師。三谷幸喜の舞台劇「彦馬がゆく」の主人公のモデル)がらみの写真とかもありました。

浅井忠(六本木の泉屋博古館分館でタイトルロールになってる展示が絶賛開催中)の洋画もあった。彼は絵画製作に写真を参考にしてるそうです。

ご興味のある方、是非どうぞ。12月3日まで。

 

庭は夏の終わりと秋の訪れを告げてました。

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蜻蛉いるのわかる?

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蟷螂かな?

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この庭は大好きなので紅葉のころにでもまた再訪したいです。

推しに積む。この姿勢はドルヲタの皆さんを少しでも見習いたいと思います。

身銭切るのは大事だよ。うん。ちなみに取引先が文化事業とかマイナースポーツのスポンサードをしてたら、機会を見つけてなるべく褒めちぎるようにしてます。いや、その人が直接の担当じゃないことはわかってるんですけど。少しでも。小さなことですが。

 

んじゃまた!

高地に暮らす人々の毛織物ー中国(イ族)、チベット、ブータン、インド北部@岩立フォークテキスタイルミュージアム&ウインザーチェアー日本人が愛した英国の椅子@日本民藝館

こんにちは。仙です。台風の被害、心配ですね・・・。
今回は岩立フォークテキスタイルミュージアムで開催中の「高地に暮らす人々の毛織物ー中国(イ族)、チベットブータン、インド北部」日本民藝館で開催中の「ウインザーチェアー日本人が愛した英国の椅子」ですヾ(๑╹◡╹)ノ"。

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ボリューム的に2展いっしょに。ていうか、この2館は系統がいっしょです。なんか割引券とか相互においてあるし。

 

まずは「高地に暮らす人々の毛織物ー中国(イ族)、チベットブータン、インド北部」です(・Д・)。

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これはですねー、主にインドのラダック地方やザンスカールの人々の衣装やテキスタイルの展示です。ラダッキードレスとかすてきだよね。


知らんかったけど、そのあたりはインドでもチベット仏教を信仰してる地域なんだよね。中国の文化大革命の影響を受けなかった分、ある意味チベットより信仰の影響が色濃く残ってるそうです(・ω・)ノ。

 

いろんな展示物があります。
色彩的には臙脂が印象的。臙脂のほうはラック染といって、コチニール(貝殻虫)が木に寄生して、それが出した分泌物を染色に用いるんだそうですヽ(・∀・)。現物が片隅においてあったけど乾いてたので生々しくなくてじっくり見れた( ̄▽ ̄;)。

 

このポスターに出てるのは多田等観が使ってた毛布。多田等観と河口慧海 を取り違えて覚えてた自分。これも藍と臙脂の2色がありました。

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拡大してみました。なんかこのマークの真ん中(十字のところ)に全宇宙のエネルギーが集まるらしいっすよ・・・スピのひとが好きそうな話だ(´・ω・`)・・・。
そしてそこに置いてあった本に多田さんと親交深かった先代のダライ・ラマのお写真が載ってました。お若くて「しゅっとした」っていう形容詞がぴったりの美形でしたヽ(´▽`)/。

 

あとはウールが雨具になってるのが面白いよ。脂があるから水はじくんだよね。

  • 4キロぐらいあるフエルトのコートはレインコートだそうです。
  • 毛布も雨具です。
  • こういうフエルトのレインハットもあった。

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前も見えるし、このタコの足みたいなのに雨粒がつたうので顔は濡れないそうです。ほんとかね(´・ω・`)?

 

あとは法具もいろいろあったよ。独鈷杵とか、日本国内でも寺宝がでてるような展覧会では割とよくみるけど、ここで見れるのはケースがかわいい。臙脂とブルーの色合わせで、貴石があしらってあります。ジュエリーケースのようですごくかわいい(╹◡╹)。

 

イ族のコートとかもあった。イ族とは、中国の少数民族です。白イ族黒イ族がいるそうで、展示されてたコートの色も同じく白と黒でした。

一般的に白=平民、黒=貴族といわれてて、Wikiにもそう書いてありますが、本当はもっと複雑で5段階の身分制のある階層社会だそうです。Wikiってちょいちょいそういうのあるよね。すごく便利でありがたいけど、ネット情報はあまり鵜呑みにしないほうがいいやね(´・_・`)。

 

というわけで、今回もいろんなテキスタイルが見れて楽しいです。11月11日まで、自由が丘の岩立フォークテキスタイルミュージアムにて。

 

次は日本民藝館「ウインザーチェアー日本人が愛した英国の椅子」

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こちらはひたすらウインザーチェアが展示されてます。
何か素朴で簡素な造形美がいかにも日本人好みで美しいです。ウインザーチェアの秀作はイギリスのメーカーが驚くほどの数が日本にあって、研究も進んでるんだそうです(*'▽'*)。

もうこんなにウインザーチェアが一度に見られる機会はないんじゃないでしょうか。見てると心が落ち着きます。おすすめですヽ(・∀・)。11月23日までやってます。

 

ウインザーのコレクションしてるひとは大変だよね(個人のコレクションもあった)。

何しろ大きいから保管するの大変だし、木製だから劣化するしなぁ。たぶん小型の陶磁器のほうがずっと扱いやすい。家族の協力がないと無理だと思う。

昔、渋沢敬三渋沢栄一の孫)の評伝を読んでたとき、民俗学のコレクションをお手伝いさんにものすごく邪魔にされてた記述があって切なくなったのを思い出した( ;∀;)。こういうのは興味ない人には掃除が面倒な代物でしかない。今は立派なコレクションとしてアチック・ミューゼアムで学芸員さんに大事にされてると思うけど。

 

あとは仏具と神具の展示もあったよ。神像が無造作に置かれててけっこうぎょっとした。

 

何か夏は終わった感じがしますね。

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んじゃまた。今週は祝日あるのでもう1回更新する予定です。