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基本は美術鑑賞ブログです。「とりあえず正直に」がモットーです。忙しくても気楽にいきましょう。

名刀礼賛 黒川古文化研究所+泉屋博古館企画特別展 もののふ達の美学@泉屋博古館分館

こんにちは。仙です。
今回は六本木の泉屋博古館分館で開催中の「名刀礼賛 黒川古文化研究所泉屋博古館企画特別展 もののふ達の美学」ですヾ(๑╹◡╹)ノ"。

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今回は刀の写真を撮りたくてブロガー内覧会に行ってきました。なので今回の写真は美術館より特別に撮影の許可をいただいたものです。

夜の美術館は雰囲気あるね。

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結論からいうと、刀と刀装具の(素人目にも)すごくいいのがたくさんあってよかったです☆*:.。. o(≧▽≦)o .。.:*☆。刀剣に興味あれば大変オススメです。行ったほうがいいよ。

 

今回の展示は副題からわかるように、ここの館蔵品とともに黒川古文化研究所のコレクションがメインになってます(・ω・)ノ。
黒川古文化研究所とは兵庫・西宮の苦楽園にある東洋の古文化研究所。

www.kurokawa-institute.or.jp

あくまで研究所で美術館ではないけど、年2回くらい展覧会をやってるそうです。・・・西宮・・・よさげなので行ってみたいけど関東人には遠いわ(´・ω・`)。兵庫は神戸にしか行ったことないんだよな。


この右上の写真のお2人が設立者の黒川幸七さんご夫妻。証券業で財をなした方だそうです。山種さんと同じだね。(特に)奥様が見るからに賢そうd( ̄  ̄)。顔つきとか着てる着物の感じとか。

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で、研究所の研究員の方のお話も伺うことができたんですが、さすがに造詣が深くて面白かったです。6月17日と7月8日にゲスト・トークがあるみたいなんで可能なら聞きに行くと楽しいかも( ´ ▽ ` )ノ。

 

刀にはいろんな見所があります。

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刀には実は自分が愛でる用とプレゼント用の2種類があったそうです。今でいうとどんなものだろう?金額的にお菓子じゃないし・・・(´・ω・`)。

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んで、もらうのはいいけどお返しが大変。きちんと見合ったモノをお返ししないと後々まで言われる言われる( ̄▽ ̄;)。そんで本阿弥家とかの鑑定業が盛んになったそうです。

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うわあ、大変そう(´・ω・`)。マウンティングの材料とかにもなりそうです。でもその分需要も多くなるから作刀の技術は発展するよね。


そしてこれがプレゼントの価値を担保するためにつけた鑑定書みたいなもの。留帳と折り紙。

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ここから確かな価値のあるものを「折り紙付き」と言うようになりました。これ豆知識な。

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あと一個知ってるとドヤれそうな豆知識ヽ(´▽`)/。名物と呼ばれるものは世の中にたくさんあるが、本当の意味での名物は本阿弥家発行の名物帖に載ってるものだけ。この展示には名物あります。伏見貞宗。国宝です。

 

そんでこっちは主に刀装具(・∀・)。

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戦国時代とかは朱鞘とか黄鞘もいっぱい作られたけど、江戸になってそれらは禁止されたので、鐔とか目貫とか、金具を凝る方に進化のベクトルが向かいました。これは武士の持つ教養人としての側面を遺憾なく発揮してるので、実は能とか謡曲とか俳句とかに精通してないと本当の理解はできないらしい・・・。

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最後には武士の描いた絵も展示されてます。私は渡辺崋山の絵がとても好きですヽ(´▽`)/。

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ということで刀剣好きなら大変オススメです。イベントある日に行くともっと楽しいかも。8月4日まで、六本木の泉屋博古館分館です。いま刀剣モノって人気あるらしいので早め(できれば平日)に行っといた方がいいと思う。

 

んじゃまた!

天理ギャラリー第161回展 漱石 生誕百五十年を記念して@天理ギャラリー

こんにちは。仙です。

今回は天理ギャラリーで開催中の「天理ギャラリー第161回展 漱石 生誕百五十年を記念して」ですヾ(๑╹◡╹)ノ"。

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天理ギャラリーはエントランスはこんな感じ。前回のは写真撮らせてくれたけど、さすがに漱石は権利関係とか難しいのかな。展示室内は全面撮影禁止でした。

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漱石ってすごいよね(・∀・)。ここは小川町だから近くの神保町の本屋とかいくと、新刊でも古書でも関連本が山ほどある。

いつの時代もオワコンにならない優秀コンテンツ・・・不思議(´・_・`)・・・。

 

そんでこの展覧会はとてもよかったですヽ(・∀・)。漱石の直筆原稿や書簡がたくさんある。天理図書館の蔵書恐るべし。正直数年前に見た藝大の漱石関連の展示よりよかったかも・・・。あれとはまた企画が違うけど。

 

とくに書簡を見てると、相手によって字の感じとかがまったく違うので驚きます。見知らぬ読者に宛てた手紙でも、相手にわかりやすく、伝わりやすく心を込めて書いてるのがわかります。

学生から来た手紙に感傷的な言葉が並んでるのを優しく諌めてる手紙とかもありましたヽ(・∀・)。本当に優しい手紙で、もし自分がこんな手紙もらったら相手が文豪じゃない普通の人でも大号泣するなと思った・・・。

そして同時にこんなことしてたんじゃこの人絶対長生きできないわ(´・_・`)、早くに胃を壊して亡くなるのも道理だよ(´・_・`)と思った・・・。

 

他にも自作の宣伝文を知らせるハガキとか、芸者さんにあげた自筆の日本画とか、吾輩は猫であるの印税領収証とかもありました。

校正したのに出版社がそれを直してくれないっていう愚痴の手紙もあった。昔だから写植組んじゃったら直すの大変だったんだろうなと思った。

 

でも一番よかったのはやっぱり子規への手紙かな。癇性な字でびっしりと書かれた長い手紙で、それほどまでに伝えたいことがあったんだなと思った。子規が一番自分をわかってくれる、みたいな信頼を感じました。

 

というわけで、個人的には大変オススメです。6月11日まで。

6月3日にはロバート・キャンベルさんが講演会するみたいです。ご参考までに。

 

んじゃまた!

ボイマンス美術館蔵 ブリューゲル「バベルの塔」展16世紀ネーデルランドの至宝ーボスを超えてー@東京都美術館

こんにちは。仙です。
今回は東京都美術館で開催中の「ボイマンス美術館蔵 ブリューゲル[ 『バベルの塔』展 16世紀ネーデルランドの至宝ーボスを超えてー」ですヾ(๑╹◡╹)ノ"。

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絶対混むと思ったんで夜間開館で行きました(`・ω・´)。

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結果、そんなにストレスを感じるような混雑ではなかったです。比較的ゆっくり見れましたヽ(・∀・)。でも、ブリューゲルの版画とか、小品がたくさんあったりするので、18時過ぎに行ったんじゃ時間が足りないかもσ(^_^;)。


だから多分夜間に行くならバベルの塔とか、ボスの作品とか自分がメインに考えてる作品からじっくり見て、残りの時間をほかの作品に配分すればいいんじゃないかなと思います(*゚▽゚)ノ。
多分バベルの塔のところはいつ行っても人だかりが途切れることはないと思うので潔く最初に並んでじっくり見た方がいい気がする・・・ギリだとよく見れないまま時間切れになっちゃうかも・・・。
自分は最初じっくり見る→時計を見たら閉館40分前→真ん中へん流し見→ボスとバベルはしっかり見るという構成でした。ちょっと後悔ヽ(;▽;)。

 

そして今回の私は勝ち組だった。なぜなら単眼鏡を持って行ったから。細密な描写の絵が多いので、単眼鏡あるなたなるべく持ってったほうがよいと思う。いや、バベルとかは拡大された複製の展示とかあるけどね。でもやっぱり本物見れる機会だからじっくり見た方が。

 

展示を見て思ったことは、ボスとかブリューゲルとかを含むこの時代のネーデルランド絵画って、瞳が小さくて唇が薄い感じの人物描写が多くってちょっとぞわっとする感じあるよね(・∀・)。
宗教画を見てても、描かれてる人物に
「・・・あなた本当に信仰心あります?」
って聞きたくなるような感じの。

 

そしてボスは改めてじっくり見ても何か面白い。キャプション見ると生前から人気画家だったんだね。工房持ってたり、フォロワーがたくさんいたり。

そして植物人間とかは奇想と一言で言うには造形が奇妙すぎる(´・_・`)。深い無意識の底からすくい上げてきたような。背後からその人の運命を囁くような。なんかタロットカードの図案を思い出す・・・と思ったらやっぱりあったよボスのタロットカード!(※ボッシュとはボスの英語読み)一つ買ってみようかな。

 

 

そしてブリューゲルもよかったよ。七つの大罪」「七つの徳目」あたりが好きかな。日本人にはわかりづらい信仰と葛藤を平易に伝えてくれてる気がします。

もちろん「バベルの塔」は文句なくよかった。見てよかった。何だあれは:(;゙゚'ω゚'):。あれこそまさに預言のような。そしてこれを見るときは単眼鏡あると大変鑑賞の助けになります。

 

ということで早めに一度行ってみることをオススメします。東京都美術館で7月2日まで。

 

テレビの企画?で大友さんの絵もあった。やっぱり上手いねぇ。

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んじゃまた。今週は時間あっていくつか展覧会に行けたんですが、写真禁止のところが多かったので短めの記事をいくつか上げたいと思いますヾ(๑╹◡╹)ノ"。