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基本は美術鑑賞ブログです。「とりあえず正直に」がモットーです。忙しくても気楽にいきましょう。

天理ギャラリー第160回展 いのりのかたちーキリスト教と民間信仰ー@天理ギャラリー

こんにちは。仙です。花粉、飛んでますね。こういうものを買ってみたけど効いてるんだか効いてないんだかよくわかんない・・・。 

アレルシャット 花粉イオンでブロック 160回分

アレルシャット 花粉イオンでブロック 160回分

 

 

さて、今回は神田小川町の天理ギャラリーで開催中の「天理ギャラリー第160回展 いのりのかたちーキリスト教と民間信仰ー」に行ってきました( ´ ▽ ` )ノ。

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ちなみに私はここにはけっこう行ってるけど、自分の行動圏内のギャラリーなので行きやすいだけで、天理教信者ではないです。たぶん基本誰でもウェルカムな施設だと思う(´・ω・)。

 

ちょっとマイナーな(ごめんなさい)展覧会なのですが、個人的には現時点で今年のベストだなと思う展覧会なので感想を書き留めておきたいと思います_φ( ̄ー ̄ )。

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観客もたくさんいた。私のほかに5名ほど。ここは今まで自分以外の観客って見たことなかったのでけっこう評判いいんだと思う(・∀・)。


そんでとてもよかったので受付のお姉さんに「写真はやっぱり禁止でしょうか?」と聞いてみたらあっさりOKでしたヽ(*^ω^*)ノ。全部所蔵品で、権利関係もネットに上げてもぜんぜん問題ないそうなのでたくさん撮影してきましたのでご覧ください。

 

この展覧会では、祈りの際に用いられるモノに焦点をあてて、それぞれの用途や背景にある信仰的な意味合いを紹介する、ということで、主にキリスト教徒が多く分布するヨーロッパと北アフリカ、土着の信仰とキリスト教が互いに影響を及ぼしながら併存する中南米の資料の展示です。
すごい貴重っていうか、日本国内では珍しい資料がそろってると思う( ̄▽ ̄)。自分は高校大学とカトリックの学校行ってたけど、このあたりの研究してる神父さんはあんまり見たことないσ(^_^;)・・・いちおう当事者なのに。特に中南米北アフリカ。すごいコレクションだと思う。

 

この黒いのはエチオピア正教の聖職者が着る法服。意外と後ろのピンクの花柄がカソリックなんだよね。

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エチオピアのイコン。手前のタピスリータイプのは初めて見た。真ん中辺の写真はエチオピア王国最後の王様。

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これもエチオピア正教豆本的なつくりの祈祷書手持ち十字架。十字架の下の四角いのは契約の箱。契約の箱はモーセの十戒が刻まれた石板が収められた箱のこと。エチオピアにあると信じられてるそうです。

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これもカソリックの祭服。後ろ向きだけど手前の赤いのはギリシャ正教の。

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手前は聖ゲオルギウス。竜を倒す姿が西洋の絵画にあるよね?奥は聖クラウス。サンタクロースの原型。

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ケンブリッジ大学は神学の最高権威。奥のペンダントはエチオピア。全部十字架。エチオピアの十字架はいろいろバリエーションがある。

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こっちは中南米。蛇女神像とかミノタウロス像。イースターエッグはとても美しいペイント。

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これも中南米。マリア様にエスニックな貫頭衣を着せるみたいです。仮面や祈願絵馬もある。

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これも祈願奉納物。心臓、肺、胃や足など身体の一部のレリーフが銀で作られている。自分の一部を捧げて神に祈るのか。

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金色のケースと黒い鞄はホスチア(聖体拝領に使うパン)を入れるやつ。分けてもらって食べたことある。味はない。最中の皮みたいな食感だった。儀式に使うフランキンセンスもあった。

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あとは映像資料で国立民族学博物館(大阪にあるやつ)作成のVTRも流れてた。とても面白い。2つとも見ると1時間弱だけどずっと見てられる。

  • サンティアゴ・デ・コンポステーラのドキュメンタリー。ひとことで言うとヨーロッパのお遍路さんサンティアゴ・デ・コンポステーラ(聖ヤコブの遺骸があるといわれる)までのすごい長い巡礼路があって、宗教的な理由で(←これ大事)目的地前の100kmを徒歩で巡礼すると巡礼証明書がもらえる。自転車OKだけど、その場合は倍の200kmを走らないとダメ。巡礼手帖に巡礼先のハンコを押してもらう。ご朱印のように。それを集めて見せっこしてたりする。巡礼手帳を持ってると安価な宿泊施設に泊まれたりするようです。

jp.france.fr

 

  • ルーマニア生神女就寝祭の映像。8月15日にこのお祭りが行わる修道院には涙を流す(流したことがある)マリア様のイコンがあるそうです。東欧の土着宗教の名残が感じられる。お祭りでは信者が修道院に集まって周りを囲み、肘と膝をついた格好で(四つん這い)ひたすら行進する・・・信仰って奥深い(´・ω・`)・・・。

    生神女就寝祭 - Wikipedia

ということで大変おすすめな展覧会です。面白かったヽ(´▽`)/。4月1日まで。
都合がつけば是非。

 

じゃ、また。次は多分水曜。

ティツィアーノとヴェネツィア派展@東京都美術館&このごろ見た映画

こんにちは。仙です。
東京都美術館で開催中のティツィアーノヴェネツィア派展」に行ってきました( ´ ▽ ` )ノ。

f:id:impatiens101:20170304172026j:plain今回はカメラを忘れた(´・_・`)・・・このごろ写真がよくなってきた(当社比)ところなのに・・・。やっぱり見比べると画質違うよな(´・_・`)。

上野公園の桜。  

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そんで肝心の展覧会についてですが、あまり混雑してなくてゆっくり快適に見れました(^ω^)。

あれ?おかしいな?

  • 土曜日だったのに。
  • 日曜美術館とかで取り上げてたって聞いてたから絶対混雑してると思ったのに。
  • ひたすら美しい絵画が主だから日本人ウケしそうなのに。

個人的にはゆっくり見れてラッキーだったけど、せっかくよい展示なのでたくさんの人に見に行ってほしいな。4月2日までなので春休みにでもどうぞヽ(´▽`)/。

 

内容的にはひたすら美しい絵がたくさんある感じです。ティントレットヴェロネーゼとかのヴェベツィア派の絵もたくさんあります。タイトルのティツィアーノの作品は全部で7点(工房作品はうち2点)
ティツィアーノはやっぱり他のヴェネツィア派の作家から際立って見える気がする。肌と髪の質感の違いかな。
「フローラ」の陶器のような肌、「ダナエ」のちょっと上気してるのがうかがいしれる頬の感じ。この絵ね。

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マグダラのマリアの胸にかかるちょっと透け感ある巻き毛とか。大変美しいです(╹◡╹)。


意外と女性モチーフでない作品もよい感じ。教皇パウルス3世の肖像」の髪とかのちょっとドライな感じとかは非常に繊細で印象的です(・ω・)ノ。

 

あと宝石の描写とかもすごい。「教皇パウルス3世の肖像」で、教皇が右手にはめてる指輪とか。多分サファイアだと思うけど、彼の自負と権力が忍ばれる輝きです( ´ ▽ ` )ノ。

ほかにも鳥瞰図とかいろんな絵があります。好きな方はオススメですし、ひたすらきれいなので癒されにいくのもよいかと思います。4月2日まで。

 

そしてこれは最近見た映画。ヴィスコンティ「家族の肖像」。ツイートはしてみたけどここにも書く。イタリアつながりで。


映画『家族の肖像 デジタル完全修復版』予告編

  • 岩波ホールで上映中。
  • 観客はほとんどご高齢の方。若者は見あたらない。
  • 遅い時間だったので入りも半分くらい?面白いのにもったいない。次いつかかるかわからないしたくさんの人に見てほしいな。

映画のテーマは老境にさしかかった人間の孤独ですかね(´・ω・)?でも、ヴィスコンティって若さが魅力的な作家ではないのでうら寂しい気分にはならない。本物の貴族出身だから?すべてがゴージャス。登場人物がすっごい毛皮とか着たりする・・・。そして食卓で煙草を吸う・・・時代を感じる。
主人公の教授が集めているのはアーサー・ディヴィスの描く家族の肖像。人間の孤独って味わい深い(´-ω-`)。

じゃ、また。次は週末です。

この頃読んだ本&サントリー美術館新収蔵品 コレクターの眼 ヨーロッパ陶磁と世界のガラス@サントリー美術館

こんにちは。仙ですヽ(´▽`)/。

このごろ本を結構読んでます。経済ノンフィクション系のすごいエグイやつ( ̄▽ ̄)。このブログに来て下さる人には特にいらん情報だとは思いますがとりあえず寸評を。

 

まずこれ。売れてるらしい。著者はかなり昔に野村証券でえらくなった人だけど、手数料を稼ぐために強烈な回転売買に客をはめ込んだ手柄話を得々と語って悪びれない。

社内での強烈なパワハラの描写とかもあって、読んでて辛くなる・・・。でも赤裸々に書いてあるから読み物としては面白い。後半のオリンパス事件については自己弁護がきつくて面白さ半減してます。

野村證券第2事業法人部

野村證券第2事業法人部

 

 次はこれ。住友銀行イトマン事件内部告発者の手記。何か言いたくないことがあるらしくて回りくどい。ちょっと読みづらかったかな。   

住友銀行秘史

住友銀行秘史

 

 同じテーマならこっちのほうが面白かった。日経出身のライターさんが書いた本。 

住友銀行暗黒史

住友銀行暗黒史

 

 これはまだ途中だけど。 

バブル:日本迷走の原点

バブル:日本迷走の原点

 

 総評:どれも売れてるだけあってかなり面白い。興味あればオススメ。

イトマン関係ではけっこう美術の話も出てきます。マネロンの話d( ̄  ̄)。美術工芸品って、適正価格があってないようなものだから残念だけどそういうのと相性いいんだよね。すごい利用のされ方・・・。

 

個人的にはもし手元に巨万の富があって、美術品が買い放題でも、自分の好きなものを少しずつ買っていくのが幸せだと思う。例え値崩れしたとしても。このごろ海外市場は下げが来てるらしいけど・・・。

 

そんで、サントリー美術館で開催中のサントリー美術館新収蔵品 コレクターの眼 ヨーロッパ陶磁と世界のガラス」にも行ってきました。

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主に美術商の野依利之(のよりとしゆき)氏のヨーロッパ陶磁コレクションと、陶芸家の辻清明(つじせいめい)氏の世界のガラスコレクション

 審美眼のあるコレクターに買われて、きちんとした美術館に寄贈されてこうやって日の目を見れる幸せなコレクションたちです。よかったねぇ(´∇`) と言いたくなる。

今回は写真OKだったので撮ってみた。絞りと露出の勉強になったわ(╹◡╹)。

 

招き猫に見えた。オランダもの。

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 黄色と緑色が爽やかな一角。

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ガラスの器はなかなか写真がきれいにとれない。

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サントリー美術館の歴史も展示。昔は丸の内にあった。

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いろんなタイプの美しい器たち。

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グロテスク文ておもしろい。

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染付の悪魔文

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珍しいのもあって楽しい展覧会です。興味ある方、ご予定合えば是非。3月12日まで。

 

んじゃまた。次は多分水曜日。